2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15206082
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 讓 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80108464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 英己 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60238847)
朝倉 祝治 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20018013)
岡部 徹 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (00280884)
山口 勉功 岩手大学, 工学部, 助教授 (70220259)
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Keywords | 廃棄物処理 / 溶融塩 / 有機ハロゲン化合物 / 分解処理 / 難分解性 / PCB / ジクロロビフェニル / 排ガス分析 |
Research Abstract |
PCB、ダイオキシン等の有機ハロゲン化合物は、人体に有害で環境に深刻な影響を及ぼし、かつ処理困難である。本研究の目的はこれらをほぼ完全に分解することにある。有機ハロゲン化合物の処理で最も困難なものは、成分であるハロゲンを如何に効率よく無害な物質に変化させるかである。化学的に最も安定なハロゲン化合物はアルカリ金属等との無機塩である。そこで、これに最適な方法として塩基性の溶融塩による分解処理を選定した。 本研究では、強塩基性の溶融塩としてKOH-K_2CO_3およびNaOH-Na_2CO_3混合塩を用い、これに被処理物の溶液とキャリアガスである模擬空気を混合して吹き込み、ガスクロマトグラフィー・マススペクトロメータ(MS/GC)を用いて排ガスの分析を行った。 昨年度までは四塩化炭素、モノクロロ、ジクロロベンゼンおよびトリクロロベンゼン等を対象として実験を行った。実験では溶液と模擬空気(窒素-酸素混合物)の流量を独立のコントローラによって制御し、溶融塩への吹き込む混合物の流量・濃度を変化させた。その結果、700□以下の低温で99.998%以上の分解効率を得た。また窒素のみを流した実験でも同程度の分解効率を得たが、種々の中間生成物が生成したが、それらは何れも塩素を含まないものであった。 本年度は、PCBの一種である4-4'ジクロロビフェニルベンゼンを対象として実験を行った。本PCBは沸点が高いため、溶媒にとかし、比較的希薄な溶液とし、ガスには純酸素を用いた。その結果、低濃度であるにも拘わらず、クロロベンゼン類と同様な99.998%以上の分解効率が得られた。これらの結果より、本方法のPCB分解処理への適用が有効であることが確認された。
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Research Products
(4 results)