2004 Fiscal Year Annual Research Report
溶融チタン浴を形成する溶融塩電解法によるチタンインゴットの直接溶製
Project/Area Number |
15206084
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
川上 正博 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30016597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 俊英 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (60197324)
深澤 英一 東邦チタニウム(株), 技術開発センター, 主任技師(研究職)
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Keywords | チタン電析 / 電流効率 / ESR / 溶融塩電解 / メタルプール形状 / 電導度 / TiO_2添加効果 / 冷却水系統 |
Research Abstract |
1.単セルによる電解実験 グラファイトをアノード、鋼板をカソードとし、約1.8kgのCaO-CaF_2(20-80)スラグを用い電解を行った。途中TiO_2試薬を約200g投入した。電解中には溶融塩の飛散が見られ、その量は約500gにもおよんだ。この飛散はアノードにおけるCOガス発生によるもので避けられないが、飛散スラグを浴へ戻す方策の必要なことが分かった。電流を800Aとした時、約72gのTi電析物が得られ、電流効率は約61%であり、Ti電析の可能性が確認できた。また、冷却水の温度上昇は最大約5℃であり、冷却水系統の能力が十分であることを確認した。 2.ESR操業 カソードにメタルプールを作るためにESR実験を行った。まず、鋼を用いた実験を行い、電流-電圧条件とメタルプール形状の関係を明らかにした。併せて、スラグ温度の測定も行い、1800℃以上の温度を確認した。ついで、チタン棒を用いて実験を行った。電極の溶解は起こったが、発熱不足のためメタルプールは得られず、凝固物はスラグを巻き込んだ複雑形状の塊であった。これは、電流値が小さすぎたためと考えられ、更に最適条件を求める必要がある。 3.スラグの電導度測定 スラグの電導度におよぼすTiO_2添加の影響を明らかにするために、小型抵抗加熱炉を用いて、電導度測定を行った。黒鉛るつぼ中で溶融塩を溶解し、2枚のモリブデン板を電極として挿入した。両極間に電流パルスを印可し、電流の立ち上がりおよびカット時の電圧変化より電導度を求めた。セル定数は電導度が既知のNaClを用いて決定した。溶融塩系は、まず、低融点のCaF_2-MgF_2-CaO系を選び、この中にTiO_2を最大40%まで添加した。この系の電導度は1050〜1200℃の間で1.6〜2.6 S/cmと温度上昇とともに増加した。TiO_2による変化はほとんど見られなかった。ついで、電解に用いるCaO-CaF_2(20-80)スラグを用い1370〜1450℃で測定を行った。この間、電導度は2.2〜2.8 S/cmと温度上昇とともに増加した。TiO_2の添加効果は5%までは認められなかった。この結果をESR実験温度の1750℃まで外挿した値は、ESR実験時の推定値と一致した。
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Research Products
(1 results)