2005 Fiscal Year Annual Research Report
溶融チタン浴を形成する溶融塩電解法によるチタンインゴットの直接溶製
Project/Area Number |
15206084
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
川上 正博 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30016597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 俊英 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (60197324)
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Keywords | 単セル電解 / ツインセル電解 / チタン電解 / チタンESR / 反応機構 / 金属霧 / 電極間距離の影響 / 電流効率 |
Research Abstract |
1)単セルを用いたチタンの電析実験では、20%CaO-80%CaF_2浴に10%のTiO_2を添加し電解を行った.供給電力を一定としながら、電極間距離、すなわち、電圧を変えて実験を行った.その結果、電極間距離38mmで最大のカソード電解効率が得られた.しかし、最大値は12%で昨年度の60%より低い値であった.また、アノード電解効率も50%以下と低かった.この原因は、(1)カソードにおいて還元されたカルシウムが金属霧を形成し、アノードに達して再酸化される、(2)チタンイオンがカソードでTi^<2+>にまで還元されるが、メタル電析は起こらず、アノードまで移動して行き、再び酸化される、という二つが考えられる.一方、昨年高電流効率の得られたスラグやメタルを詳細に検討したところ、スラグがアルミナを含むものである可能性が示唆されたので、30%Al_2O_3-70%CaF_2スラグを用いて実験したところ、昨年と同様の結果が得られた.これより、スラグにアルミナを含む方がメタルを得やすいことが分かった. 2)チタンのメタルプールを得るために、単セルを用いてチタンのESRを行った.雰囲気を調節するために装置上部にカバーをかけ、20Nl/minの流量でArを流した.しかし、出来たインゴットは塊状で、健全なインゴットとは言えず、適正なメタルプールは出来なかったと考えられる.スラグの温度をW-W/Re熱電対で測定したところ、1850℃と純チタンの融点以上であった.このように、スラグ温度が融点以上にも拘わらず、適正なメタルプールが出来なかったのは、雰囲気調整が不十分であり、メタルが酸素を吸収して融点が上昇したためと考えられる. 3)二つの単セルを水冷銅製の樋で結合したツインセル構造の電解装置を作成した.片方のセルに黒鉛電極を挿入してアノードとし、もう片方のセルでは鋼の丸棒のESRを行ってメタルプールを作り、カソードとする。まず、鋼のESRをフルパワーでスタートし、スラグを添加して樋レベルまで上げ、アノード側のセルの電解をスタートさせた.両方のセルからスラグがあふれ出し樋にスラグが充満したところで、一旦電源を切り、ツインセル回路を構成し、ツインセルでの通電を開始した,プラズマトーチによる樋鋳型の溶損、樋の絶縁部のアーク放電など種々の困難を克服し、電流800Aで1分間の通電に成功し、メタルプール上にチタンらしき電析物が得られた.これにより、本プロセスの成功の見通しが立ったので、特許申請を行った. 4)本年度は、これまでの成果の一部を、裏面に示すように、1^<st> Asia and 9^<th> China-Japan Bilateral Conference on Molten Salt Chemistry and Technology, Wuhu, China (2005),およびProc.MS7 International Symposium on Molten Salts Chemistry and Technology, Toulouse, France (2005)という二つの国際会議において発表した.さら、2006年8月開催予定のthe Sohn International Symposiumにおいても発表を予定している.
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Research Products
(4 results)