2004 Fiscal Year Annual Research Report
原料リサイクルCVD法による太陽電池用結晶シリコン薄膜の低コスト合成
Project/Area Number |
15206086
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小宮山 宏 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80011188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 優 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50312997)
岡田 文雄 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (10345093)
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Keywords | 太陽電池 / シリコン薄膜 / CVD / エピタキシャル成長 / 原料リサイクル / 急速蒸着法 / クロロシラン |
Research Abstract |
平成16年度は、プロセス全体の再設計と、それにより新たに生じた研究開発課題である急速蒸着法によるシリコンのエピタキシャル成長を検討した。 本研究では、ポーラスシリコン法やエピタキシャルリフトオフ法への適用を想定し、太陽電池発電層用の単結晶シリコンのエピタキシャル成長を低コストで実現することを目指している。単結晶シリコン膜の厚さは10μm以上であり、高速製膜が必須である。そこで、1μm/min程度の高速製膜が可能なクロロシラン原料によるCVDを製膜手法とし、その際のクロロシラン原料をリサイクルすることで、低コスト化を目指してきた。平衡論・速度論的検討により、主反応を中心とした設計の目処は立った。しかし、塩素系ガスによる装置壁の腐食と不純物混入が大きな問題であった。 一方で、シリコンの物理蒸着は、従来、電子デバイス分野でのエピタキシーの低温化の手法として用いられてきた。しかしながら、融点1410℃での融液成長では、シリコンは10mm/min以上とCVDの1万倍の速度でエピタキシャル成長する。すなわち、基板温度を高温に持っていけば、高速でエピタキシャル成長させられる可能性が高い。発電層の10μm程度への薄膜化により、半導体産業からの超高純度シリコンの供給量が十分に見合い、かつ、装置腐食・不純物混入のない、簡易なプロセスの構築が可能になる。1000℃までの基板加熱が可能な真空蒸着装置を作製し、実験的検討を行った。現段階までに、基板温度800-1000℃で、10μm/minとCVDよりも大きい製膜速度での、シリコンの良質なエピタキシャル成長を確認した。
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Research Products
(2 results)