2005 Fiscal Year Annual Research Report
モレキュラーインプリンティング不斉触媒の開発と分子認識機能の創出に関する研究
Project/Area Number |
15206087
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩澤 康裕 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40018015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 岳彦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (90242099)
唯 美津木 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (70396810)
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Keywords | モレキュラーインプリンティング / 固定化金属錯体 / 形状選択性 / 不斉触媒 / 分子認識 / XAFS / 時間分解XAFS / イオン液体 |
Research Abstract |
シリカ表面に不斉シッフ塩基を配位したバナジウム単核錯体を固定化し、2-ナフトールの不斉カップリング反応に優れた触媒活性を示す新規固定化触媒の設計に成功した。表面のシラノール基との反応によって生成したフェノール部位との水素結合によって、シリカ表面でバナジウム錯体の不斉自己組織化が誘起され、不斉バナジウムダイマーが形成されることを見出し、活性構造の詳細についてXAFS,XPS,DFT計算などによりキャラクタリゼーションを行った。表面不斉自己組織化ダイマーが、2-ナフトール不斉カップリングに90%eeの高い不斉選択性を示すことを見出した。 不斉ビスオキサゾリン(BOX)をシリカ表面に固定化し、表面をメタクリル基などの有機官能基を有するシランカップリング剤で修飾した表面修飾Cu-BOX錯体触媒が、Diels-Alder反応において高い不斉選択性を示すことを見出した。表面の不斉選択性は、表面修飾シランカップリング剤に大きく依存し、メタクリル基を有したシランカップリング剤が最も高い不斉選択性の増大効果を示すことを見出した。 ゼオライト担持Re触媒を調製し、分子状酸素を酸化剤としたベンゼンからのフェノール直接合成反応に94%の高い選択性を持つ新規触媒の設計に成功した。選択酸化反応に必須のアンモニアによって、中心に窒素原子を内包したRe10核クラスターが生成し、これがフェノール合成反応の触媒活性種であることを明らかにした。アンモニアによる活性クラスターの形成過程、分子状酸素を酸化剤としたベンゼンの選択酸化反応過程の構造ダイナミクスを時間分解XAFSにより検討した。
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Research Products
(7 results)