2003 Fiscal Year Annual Research Report
材料破壊と構造崩壊の連成を考慮した有限要素解析法に関する研究
Project/Area Number |
15206094
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
都井 裕 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (40133087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高垣 昌和 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (50334363)
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Keywords | 材料破壊 / 構造崩壊 / 有限要素法 / 連続体損傷力学 / 局所的破壊解析法 / 部分連成解析 / 弾塑性 / 疲労 |
Research Abstract |
近年、連続体損傷力学に基づく構成方程式を導入した有限要素解析法、いわゆる「局所的破壊解析法(local approach to facture)」により、構造解析と損傷・破壊解析を融合した非線形有限要素解析が可能となりつつある。この方法の実用化には現時点ではいくつかの問題点もあるが、構造崩壊解析と材料破壊解析の統合化に対し大きな将来性を有するアプローチと考えられる。本研究では、局所的破壊解析法に関する研究代表者らのこれまでの研究成果に基づき、解のメッシュ依存性、計算効率、構成式の理論的・実験的根拠、材料定数の決定などに関わる基本的問題点を解消し、材料破壊・構造崩壊連成解析プログラムのプロトタイプを構築することを研究目的とする。構造崩壊解析においては骨組、薄板などの一次元、二次元解析が有用であるが、材料破壊現象は本質的に三次元であり、一般に両者の連成は三次元場において考慮する必要がある。本研究では、構造体としては一次元体(骨組構造)および三次元体を想定し、局所的な材料損傷評価はすべて三次元計算とする。 平成15年度はまず、「局所連成解析法(locally-coupled approach)」の確立を目指して以下の作業を行った。すなわち従来の研究成果に基づき、「ASIおよび三次元有限要素法による弾粘塑性解析」プログラムを完成させた。この解析により損傷を考慮しない解析による「変位・ひずみ履歴」が求められ、「損傷解析箇所が決定」される。続いて延性損傷・破壊、脆性損傷・破壊、クリープ損傷・破壊、疲労損傷・破壊、環境損傷・破壊を考慮した、統合的な「弾粘塑性損傷構成式」および積分計算プログラムを作成した。この解析により複数着目部の損傷履歴が決定され、「クリープ寿命・疲労寿命が予測」される。試計算および利用可能な実験データとの比較により、局所連成解析部の妥当性・有用性を検証した。特に従来の研究で指摘された課題中、構成式の理論的・実験的根拠、材料定数の決定プロセスについて検討した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 都井 裕, 広瀬智史: "損傷力学モデルによる金属材料の力学特性の同定と予測"日本機械学会論文集(A). 69・679. 530-537 (2003)
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[Publications] 都井 裕, 姜 成洙: "多数のボイドを含む固体の自然要素法によるメソスケール解析(その1:マクロ弾性定数とマクロ降伏応力評価)"日本機械学会論文集(A). 69・683. 1101-1107 (2003)
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[Publications] 都井 裕, 姜 成洙: "多数のボイドを含む固体の自然要素法によるメソスケール解析(その2:ボイドの結合を考慮した延性破壊解析)"日本機械学会論文集(A). 69・683. 1108-1113 (2003)
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[Publications] 高垣昌和, 都井 裕: "鋼構造部材における熱・損傷・脆化の連成を考慮した有限要素解析手法"日本機械学会論文集(A). 69・683. 1114-1120 (2003)
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[Publications] 高垣昌和, 都井 裕: "熱・損傷・脆化の連成を考慮した有限要素法による鋼構造部材の溶融亜鉛脆化割れ解析"日本機械学会論文集(A). 69・683. 1121-1127 (2003)
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[Publications] 岩渕研吾, 佐藤幸雄, 都井 裕, 広瀬智史: "レール鋼の疲労特性試験および損傷力学に基づく解析"鉄道総合技術研究所報告. 17・10. 17-22 (2003)