2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15206098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松木 浩二 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (10108475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木崎 彰久 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助手 (60344686)
坂口 清敏 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 講師 (50261590)
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Keywords | き裂システム / 透水性 / き裂閉鎖 / せん断変位 / みず道 / 寸法効果 |
Research Abstract |
本年度は,1.真三軸圧縮応力下におけるき裂透水性を実験的に評価するための試験装置を設計・製作し,2.シミュレーシヨンコード開発のための第1段階として,閉鎖過程およびせん断過程のき裂透水性の寸法効果に関するシミュレーションを行った. 製作したき裂透水性試験装置は,1.試料寸法は原則として250mm立方体であり,2.き裂のせん断変形を許すために,き裂と交差する端面にはそれぞれ別個の大変形型フラットジャッキ(耐圧30MPa)を装備し,3.応力の三軸制御とともに4.一定間隙圧の制御が可能である.なお,大変形型フラットジャッキは二枚のフラットジャッキを重ねたものであり,許容変位は最大15mmである.なお,本装置を用いた本格的な実験的研究は来年度に実施する. き裂透水性の寸法効果に関するシミュレーションは,最大12.8mのき裂をコンピュータ上に作成し,単に閉鎖した場合と小さな垂直応力のもとでせん断変位した後に閉鎖した場合について,差分法を用いてReynoldsの方程式を解くことによって行った.得られた主な知見は以下の通りである. 1.せん断変位がない場合,き裂寸法が200mmを越えると,間隙の標準偏差がほぼ一定になる結果,同じ平均間隙まで閉鎖した場合にはき裂透水性に寸法効果が現れなくなる.また,平均間隙で規準化した水理学的間隙は,筆者らによる従来の経験式で表すことができる. 2.せん断変位がある場合,き裂の透水性に著しい異方性が現れるために顕著な寸法効果が現れない.すなわち,せん断変位と垂直な方向に卓越した「みず道」ができるため,せん断変位と平行な方向に比べてせん断変位と垂直な方向の透水性が著しく大きくなり,「みず道」の周期や大きさは与えたせん断変位の大きさに依存する.従って,き裂寸法が大きいほど「みず道」の本数が多くなり,せん断変位が大きいほどせん断変位と垂直な方向の透水性が増加する.
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Research Products
(1 results)