2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15206101
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 正史 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70143386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 正男 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (60361648)
岡部 徹 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (00280884)
光田 好孝 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (20212235)
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Keywords | シリコン / 半導体 / 精製 / 電子ビーム溶解 / クヌーセンセル質量分析法 / リサイクル |
Research Abstract |
本研究では、微量不純物を含有するスクラップシリコンを高速で精製し、半導体用高純度シリコン素材を製造する新しい方法の開発を目的としている。真空中で電子ビームを用いてシリコンを溶解させることにより、リン、アンチモン、ヒ素などの不純物を除去できることを確認した。しかし、除去速度のさらなる高速化および生産性の向上が求められている。また、シリコン中のボロンについては、単純な電子ビーム溶解では除去できないことが明らかにされており、効果的な除去法の開発が望まれている。新たな不純物除去法の開発および除去速度の高速化の方策を探るため、シリコン中の微量不純物の蒸気圧を測定し、基礎的な熱力学的諸量を得ることを試みている。試料を1600℃程度まで加熱した状態で、クヌーセンセル質量分析法による高精度の蒸気圧測定が可能な装置を開発した。本装置では、真空度は室温で5×10^<-7>Pa以下、1600℃でも約10^<-5>Pa以下に保つことができ、また、質量数300までの分子の測定が可能である。さらに、二つの試料からの蒸発速度を同時に測定するダブルクヌーセンセル質量分析法を利用することができるため、従来の単一セルを用いた測定よりも精度の高い結果が期待できる。シリコン中のリンの蒸気圧を測定する際に参照物質として利用する銅-リン合金を調べ、この合金中のリンの蒸気圧を正確に測定できることを明らかにした。
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