2004 Fiscal Year Annual Research Report
有機塩素への選択的エネルギー注入による廃棄物の高効率脱塩処理
Project/Area Number |
15206102
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森 滋勝 名古屋大学, エコトピア科学研究機構, 教授 (90024306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板谷 義紀 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (50176278)
小林 潤 名古屋大学, エコトピア科学研究機構, 助手 (60314035)
小林 信介 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (30345920)
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Keywords | マイクロ波 / 有機系塩素化合物 / 塩化水素 / 選択性 / 誘電損失 / 事前脱塩素処理 / ポリ塩化ビニル |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、マイクロ波照射による有機塩素化合物からの選択的脱塩素技術の開発に関する検討を行った。昨年度行った対流加熱およびマイクロ波加熱による脱塩素特性の比較から、マイクロ波照射の脱塩素反応速度および脱塩素率への有効性が示されたが、照射条件によっては不均一に加熱・反応する結果が得られている。そこで、マイクロ波均一照射を確立するため、マイクロ波に対して透明なガラスビーズを流動媒体とした流動層型反応試験装置を用いて、塩化ビニル樹脂粒子からの脱塩素挙動に関する検討を行った。実験パラメータとしてポリ塩化ビニル樹脂の重合度、流通ガス温度(層初期温度)、マイクロ波照射強度およびガス流量を変化させ、層内温度および脱塩素率の経時変化を測定した。流通ガス温度を変化させマイクロ波照射実験を行った結果、334K以下の温度下ではポリ塩化ビニルの誘電損失が小さく照射されるマイクロ波のほとんどが透過し、脱塩素反応は確認されなかった。334K以上の温度下では照射開始後徐々に層内温度が上昇し、層内温度が約450Kに到達したところで急激な温度上昇が確認されるとともに脱塩素反応が開始することが明らかとなった。従来の伝熱加熱では450Kにおける脱塩素反応はほとんど確認されておらず、このことからより低温条件でも十分脱塩素処理が可能であることが明らかとなった。重合度の影響についてはマイクロ波照射強度によって異なり、マイクロ波出力が600Wの場合は重合度が小さい試料の方が脱塩素率が高くなるが、出力800Wの条件下においては、その差はほとんど見られなかった。また、脱塩素反応が見かけ上平衡に到達した後の試料外観を観察した結果、層内部まで均一に変色していることが確認されマイクロ波が均一に作用していることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)