2006 Fiscal Year Annual Research Report
高周波電流駆動プラズマにおける遷移現象のヒステリシス特性の統計的描像について
Project/Area Number |
15206105
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Research Institution | KYUSHU UNIVERCITY |
Principal Investigator |
図子 秀樹 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (20127096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花田 和明 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (30222219)
中村 一男 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (30117189)
坂本 瑞樹 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (30235189)
出射 浩 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (70260049)
矢木 雅敏 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (70274537)
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Keywords | 遷移現象 / 電流駆動 / 定常トカマク運転 / PWI駆動緩和現象 / サイクロトロン電流駆動 / 双方向電流駆動 |
Research Abstract |
本研究課題の目標は以下の点の解明である。 1.高性能化遷移現象における閾値パワーの統計的意味での定義を明らかにすること。 2.ヒステリシスパワー領域における遷移確率の実験的定義づけ、 3.順遷移(低性能から高性能)及び逆遷移(高性能から低性能)の各々について遷移確率を見出すこと。 4.これらの遷移現象の統計的性質をまとめ、大型装置のL/H遷移のヒステリシス現象やパワー閾値の統計的意味づけを与えること。 平成18年度の研究は以下の点に注意して研究を進め、1〜5に示す結果を得た。 これまでは低域混成波の組み合わせによって発現する"高性能閉じこめ特性への遷移現象"の性質を調べてきた。さらに対象として電子サイクロトロン波や電子バーンシュタイン波に関する"波動の性質の遷移現象"、"PWIに関する遷移現象や緩和現象"を掲げ、研究を進めた。 得られた結果は以下の通りである。 1.双方向低域混成波において、駆動電流の方向が両者(順逆方向の波動)のパワー比に対して突然逆方向駆動から順方向へと遷移する条件を見いだした。(文献1,5,10) 2.電子サイクロトロン逆方向電流駆動を双方向低域混成波電流駆動プラズマに実施して、Ohkawa電流駆動機構とFB電流駆動機構間の遷移が起きることを実験的に観測(文献10) 3.高周波電流駆動放電において世界で初めて極低周波振動(周期1000秒以上)を観測し、PWIがそれを駆動していることを明らかにしたが、人為的なHzオーダーのPWI振動をフーリエ解析し、PWI摂動のトーラス方向の伝播を明らかにした。(文献2、6)。 4.局所PWIが誘起する表面局所温度に閾値(〜0.7Tm)が存在することを初めて定量観測し、それを超えると著しい吸蔵粒子の放出が起きることを見いだした(文献4,9) これらの結果は当初掲げた、"高性能化"に関する遷移現象が、"電流駆動"や"PWIと粒子リサイクリング"に関しても形を変えて、閾値組み合わせパワー比や、閾値局所温度に支配されながら発現することの観測へと研究を発展させることができた。
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Research Products
(11 results)