2005 Fiscal Year Annual Research Report
サブフェムト秒・アト秒電子線励起時間分解吸収分光法の基礎研究
Project/Area Number |
15206109
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉田 陽一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (50210729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 精一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (80011203)
古澤 孝弘 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (20251374)
関 修平 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (30273709)
誉田 義英 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (40209333)
楊 金峰 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (90362631)
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Keywords | 電子線励起時間分解吸収分光 / ダブルデッカー電子加速器 / フェムト秒電子パルス / フォトカソードRF電子銃加速器 |
Research Abstract |
(1)フェムト秒・アト秒電子線パルス発生の研究 平成17年度には、フェムト秒やアト秒の時間領域内の反応機構を解明するために、フェムト秒・アト秒電子パルス発生のメカニズムを理論的に解明し、100フェムト秒以下(サブ100フェムト秒)の電子パルスの発生方法を確立した。シミュレーションにより、電荷量が0.1nCのときフォトカソードRF電子銃ライナックにおいて78fsの電子パルスが発生できることが分かった。さらに、磁気パルス圧縮器中にスリットを設置することにより3次の高次効果を低減し、50fsの電子パルスが発生できることが分かった。 (2)等価速度分光法パルスラジオリシスの研究 昨年度の等価速度分光法の開発に引き続き、今年度は電子線パルスの波面制御技術を開発した。そこで、我々はライナックによるエネルギーと位相空間分布の変調を利用し、磁気パルス圧縮器の磁場強度の調整による電子線パルスの波面制御の方法を確立した。そうすることにより、サンプル中での光と電子の速度の違いによる時間分解能劣化を原理的にはゼロにまですることができる。また、光路長も電子ビームの径に応じて大きくとることが可能であり、吸収強度も格段に大きくなる。電子線パルスの波面測定については、フェムト秒ストリークカメラを利用した電子線パルスの時間方向と波面が曲がる空間方向の2次元測定方法を考案した。 (3)ダブルデッカー電子加速器の開発とアト秒パルスラジオリシスの基礎研究 今年度は、ダブルデッカー電子ビームの発生実験を行い、ビームのエネルギー、エミッタンス、パルス幅などの性能評価を実施した。電子パルスの電荷量は0.47-0.65nCであり、エネルギーは上下のビーム共31.8MeV、エネルギー分散の最小値は1.4%と得られた。規格化エミッタンスが2.5〜3.6mm-mradであった。電子ビームの性能として十分低いエミッタンスとエネルギー分散が得られた。また、電子が空気中を通る際に発生するチェレンコフ光を利用して、ダブルデッカー電子ビームを用いたパルスラジオリシスの検証実験に成功した。
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Research Products
(6 results)