2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性精神遅滞症遺伝子FMR1の解析を通して知る脳内行動発現ネットワーク機構
Project/Area Number |
15207002
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
塩見 春彦 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 教授 (60202107)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 実 東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 主任研究員 (50261839)
石田 直理雄 産業技術総合研究所, 生物機能工学研究部門, グループ長 (00344234)
|
Keywords | 脆弱X症候群 / 精神遅滞症 / 概日リズム / 記憶障害 / RNAi |
Research Abstract |
(1)dFMR1及びdFMR1関連遺伝子欠失ハエ系統における脳神経系微細構造の解析(塩見春彦):dFMR1と相互作用する遺伝子及びRNAi因子AG02の欠失系統を用い、dFMR1/AG02とのダブル欠失ハエ系統を作製し、シナプスを含めた脳神経系の微細構造を解析した結果、dFMR1変異体lateral neuronで見られる形態異常がダブル欠失系統ではそのさらなる悪化が見られた。 (2)修飾遺伝子の同定(塩見春彦):dFMR1を限定的に剛毛で過剰発現する系を立ち上げた。ptc-GAL4及びsca-GAL4というGAL4 driversを用いdFMR1を過剰発現すると剛毛が二股になるという形態変化が観察された。このハエに同時にAG02を過剰発現すると剛毛が二股になるという形態の改善が見られた。この結果は、AG02がdFMR1のサプレッサーであることを示唆する。 (3)dFMR1及びdFMR1関連遺伝子変異体ハエ系統における概日リズムの解析(石田直理雄):dFMR1を過剰発現すると休息-活動(locomotor activity)の概日リズムに異常が現れる(長周期となる)ことを見いだした。 (4)dFMR1及びdFMR1関連遺伝子変異体ハエ系統における記憶障害の解析(齋藤実):dFMR1変異体の記憶障害をT-maze(2種類の臭いと電気ショックで条件付けることができる装置)を用いて解析した結果、dFMR1変異体ハエが記憶障害変異体であることを明らかにした。つまり、dFMR1変異体ハエは学習できるが(0時間記憶は正常)、1時間記憶は野生型に較べ明らかな低下が見られた。
|
Research Products
(7 results)