2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15207011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 維昭 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (90027334)
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Keywords | 蛋白質膜透過 / SecM / SecA / リボソーム / 翻訳制御 / タンパク質分泌 |
Research Abstract |
染色体上secAの上流遺伝子によってコードされるSecM(Secretion Monitor)を同定し、SecMの翻訳伸長がそのC末端の5残基上流で一旦停止することをみいだした。分泌蛋白質であるSecMの膜透過が起こらない条件下では、SecMの翻訳伸長停止は永続する。SecM新生ポリペプチドがリボソームの内部でexit tunnelと相互作用することが翻訳一時停止の原因であることを、リボソーム変異による翻訳停止の部分的解除の結果から提唱した。この現象がSecAの発現およびその制御に重要であることを示すための遺伝学的実験系を構築した。それを用いた実験の結果、SecMの翻訳アレストは正常な細胞においてもsecAの充分な翻訳に必要であり、細胞の分泌活性の変動に応じたSecAの翻訳制御にも重要であることを示唆する結果を得た。現在詳細なデータ収集を行っている。また、SecMの試験管内翻訳実験により、翻訳アレストの分子機構を追求する実験系を構築した。SecMの翻訳途上での膜へのターゲティングが下流のsecA遺伝子から翻訳されるSecAの機能状態に影響を及ぼす可能性について、検討を開始した。SecM-secAメッセンジャーRNAの局在を蛍光標識と顕微鏡観察によって解析し、膜局在を示唆する結果を得た。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Nakatogawa, H., Ito, K.: "Intra-ribosomal regulation of expression and fates of proteins"ChemBiochem. 5. 48-51 (2004)
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[Publications] Nakatogawa, H., Murakami, A., Ito, K.: "Control of SecA and SecM translation by protein secretion"Curr.Opinion Microbiol.. (In press). (2004)
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[Publications] 中戸川仁, 伊藤維昭: "蛋白質の膜透過と翻訳アレスト"蛋白質核酸酵素. 48. 338-345 (2003)
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[Publications] 中戸川仁, 村上亜希子, 伊藤維昭: "タンパク質分泌モニターSecMによるSecAの発現制御機構"実験医学. 21. 869-873 (2003)