2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15207014
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤木 幸夫 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (70261237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 茂彦 九州大学, 大学院・理学研究所, 助教授 (90236753)
原野 友之 九州大学, 大学院・理学研究所, 助手 (80037275)
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Keywords | ペルオキシソーム / CHO変異細胞 / ペルオキシソーム欠損症 / ペルオキシソーム形成因子 / 膜形成 |
Research Abstract |
本年度は、主として以下の研究成果を得ることができた。 1)PTS1受容体Pex5pのペルオキシソーム-サイトゾル間シャトリングの分子機構 ペルオキシソームマトリックス酵素群の多くはC-末端局在化シグナル1(PTS1)を有しており、サイトゾルで合成された後、PTS1受容体Pex5pによりペルオキシソームに輸送される。我々は、Pex5pのペルオキシソームへの移入および移出過程を無細胞系により検討した結果、Pex5pはペルオキシソームへの移入にはPex14pと温度を必要とし、移出にはAAA-ATPase Pex1pおよびPex6p、ATP加水分解ならびにサイトゾルを必要とすることを解明した(MCB2005)。 2)Pex19pによるペルオキシソーム膜タンパク質のin vitro輸送系確立 ペルオキシソーム膜タンパク質のPex19pによるin vitroペルオキシソーム局在化を検討した。Pex16pおよびPex26pは、Pex19pおよびATPエネルギー依存的に輸送され、ペルオキシソーム膜に組み込まれた。その後のPex19pの細胞質への解離・放出も認められた、さらに、膜タンパク質Pex3p、Pex19p、Pex16pあるいはPex26p間で3者複合体の形成を見出し、Pex3pが膜上におけるPex19p-膜タンパク質複合体の受容体として働くことを示唆した(JBC2006)。 3)ペルオキシソーム形成異常症患者由来Pex26p変異は安定性、ペルオキシソームの局在化、Pex1p-Pex6p複合体との相互作用に障害をきたす ペルオキシソーム欠損症相補性群第8群の病因遺伝子PEX26に関し現在までに13名の患者解析の結果、計11種の変異を同定、これらの変異体は、 Pex26p自身の安定性やペルオキシソーム膜への局在化、Pex1p-Pex6p複合体との結合活性の障害などを有することを見出した(JBC2006)。 4)Pex14pの機能領域と分子動態の解析 ペルオキシソーム膜局在ペルオキシンPex14p(構成アミノ酸数376)は、マトリックスタンパク質に対する膜内透過装置の一構成因子として機能する。Pex14pに関し、機能領域21-260の同定と共に、ペルオキシソーム膜上にてPex14p-Pex13p複合体として存在、PTS1タンパク質-Pex5p複合体をリクルートし、ついでPTS1タンパク質はペルオキシソーム膜内に取り込まれ、Pex5pは結合しているPex14p複合体から解離再び細胞質へとリサイクルされ、その後Pex14pは再び他のPex14pおよびPex13pと結合し複合体を形成することを見出した(JBC 2006, in press)。 5)ペルオキシソーム形態制御機構:DLP1異常CHO変異細胞ZP121による解析 ZP121CHO変異細胞では繊維状に伸びたペルオキシソームならびに極度に繋がり凝集したミトコンドリアが観察される。Dynamin-like Protein 1 (DLP1、699アミノ酸)cDNAの導入によりこれらの異常が相補され、かつZP121において野生型DLP1と変異型DLP1G363Dの二種が対立DLP1アレルから発現していること、DLP1G363DはGTPase活性を有せずdominant negative体として働くことを明らかとした。ZP121は初めての哺乳動物dlp1変異細胞である(ECR 2006, in press)。
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Research Products
(5 results)