2003 Fiscal Year Annual Research Report
膜リン脂質の位置情報に基づく細胞膜の機能分化・形態形成機構の解明
Project/Area Number |
15207015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梅田 真郷 京都大学, 化学研究所, 教授 (10185069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼田 瑞穂 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (50113494)
加藤 詩子 京都大学, 化学研究所, 助手 (90362392)
竹内 研一 京都大学, 化学研究所, 助手 (70270684)
山本 正雅 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (50150884)
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Keywords | リン脂質 / 脂質二重層 / フリップ-フロップ / 細胞極性 / 上皮細胞 / アクチン / 酵母 / ホスファチジルエタノールアミン |
Research Abstract |
細胞の分裂や移動、形態形成の際に細胞膜直下の特定部位において、ダイナミックなアクチン細胞骨格系の再編が行われるが、その位置を決定するシグナルがどのように形成されるのか、未だ明らかではない。本研究では、アクチン骨格系再編の部位を決定する位置情報が、細胞膜局所におけるリン脂質分子運動の変化による膜構造の揺らぎにより生ずると提唱し、その分子機構を明らかにすることを目的に研究を進めている。本年度は、細胞分裂時の分裂溝におけるリン脂質分子運動の変化が膜直下のアクチン骨格系の制御に如何に関わるのか、その分子機構を解析した。その結果、1)細胞分裂終期において、膜リン脂質のホスファチジルエタノールアミン分子のフリップ-フロップ運動が分裂溝において局所的に活性化することを見出し、この脂質分子の運動がアクチン骨格系蛋白質の制御分子であるRhoAの分裂溝への局在とその活性化状態を直接制御すること明らかにした。 2)このホスファチジルエタノールアミンの分裂溝での分子運動は、ROCK、mDia、Citron kinase等のRhoAエフェクター分子へは影響を及ぼさないが、ホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸[PI(4,5)P_2]の産生酵素であるPIP5キナーゼの分裂溝への局在を制御することが明らかとなった。 3)PI(4,5)P_2に対する特異的プローブ及び抗PI(4,5)P_2モノクローナル抗体を用いた解析から、細胞質分裂終期に分裂溝の内層にPI(4,5)P_2が集積することが、細胞分裂の進行に必須の現象であることが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kobayashi, H., Umeda, M.: "Cell biology of lysenin, a potein in the coelomic fluid of the earthworm Eisenia fetida"Int.Rev.Cytol.. (in press).
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[Publications] Katoh, U., Umeda, M.: "Role of membrane phospholipids on cytokinesis"Progress in Lipid Res.. (in press).
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[Publications] Yamaji-Hasegawa, A.et al.: "Oligomerization and pore formation of a sphingomyelin-specific toxin, lysenin"J.Biol.Chem.. 278. 22762-22770 (2003)
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[Publications] NakagaWa, T.et al.: "Participation of a fusogenic protein, glyceraldehydes-3-phosphate dehydrogenase, in nuclear membrane assembly"J.Biol.Chem.. 278. 20395-20404 (2003)
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[Publications] Kametaka, S.et al.: "Identification of phospholipid scramblase 1 as a novel interacting molecule with β-secretase(β-site amyloid precursor protein(APP) cleaving enxyme(BACE))"J.Biol.Chem.. 278. 15239-15245 (2003)
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[Publications] Makino, A.et al.: "Cinnamycin(Ro 09-0198) promotes cell binding and toxicity by inducing transbilayer lipid movement"J.Biol.Chem. 278. 3204-3209 (2003)
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[Publications] 加藤詩子, 梅田真郷: "細胞膜脂質の非対称性と細胞極性形成"実験医学. 21. 460-465 (2003)