2005 Fiscal Year Annual Research Report
膜リン脂質の位置情報に基づく細胞膜の機能分化・形態形成機構の解明
Project/Area Number |
15207015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梅田 真郷 京都大学, 化学研究所, 教授 (10185069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 研一 京都大学, 化学研究所, 助手 (70270684)
加藤 詩子 京都大学, 化学研究所, 助手 (90362392)
稲留 弘乃 京都大学, 化学研究所, 教務職員 (30378872)
兼田 瑞穂 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (50113494)
山本 正雅 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (50150884)
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Keywords | リン脂質 / 膜質二重層 / フリップ-フロップ / 細胞サイズ / ショウジョウバエ / 細胞骨格 / 酵母 / ホスファチジルエタノールアミン |
Research Abstract |
細胞サイズの調節に関わる細胞内シグナル伝達経路の解明が進む一方で、サイズの変化に応じた膜脂質の組成や膜量を制御する分子機構に関しては未だ不明な点が多い。我々は以前にホスファチジルエタノールアミン(PE)結合プローブ(SA-RO)を用いた解析から、形質膜におけるPEの動態がアクチン細胞骨格の再編に関わることを明らかにした。また、SA-ROに高感受性となる出芽酵母変異株の原因遺伝子としてROS3を同定し、ROS3が膜リン脂質の配向性の制御とともにアクチン骨格や細胞極性の制御にも関わる多機能分子であることを見出している。本年度は、膜リン脂質フリップ・フロップに関わるタンパク質ROS3の機能解析からリン脂質の動態制御による細胞および個体の制御メカニズムの解明を目的として研究を行った。ショウジョウバエを用いたROS3のノックダウンおよび過剰発現系統の解析の結果、唾液腺や脂肪組織においてROS3ノックダウン系統では細胞サイズの減少が観察され、過剰発現系統では逆に細胞サイズが増大していた。さらにCHO-K1においてもROS3の過剰発現により細胞の表面積の増大がみられた。CHO-K1を用いた詳細な解析の結果、ROS3はリサイクリングエンドソーム近傍に局在し、アミノリン脂質トランスロケースと協調したリン脂質の動態制御により細胞サイズを調節している可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)