2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15207017
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
高田 慎治 大学共同利用機関法人, 自然科学研究機構(岡崎共通研究施設)・岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (60206753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越田 澄人 基礎生物学研究所, 分子発生学研究部門, 助手 (40342638)
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Keywords | 発生 / 形態形成 / シグナル分子 / 器官形成 / 遺伝子トラップ / 外分泌腺 / 突然変異体 / ゼブラフィッシュ |
Research Abstract |
本研究では、WntやFGFのようなシグナルの機能の多様性が生じる分子メカニズムを解析することを目的として、Wntシグナルによって発現が調節される遺伝子(以下、標的遺伝子と呼ぶ)の発現制御機構と機能の解析を行うとともに、標的遺伝子の発現制御に異常を示す突然変異体に着目し、その原因遺伝子の同定を行っている。Wntシグナルの標的遺伝子は遺伝子トラップ法とマイクロアレイ法を用いることにより複数の遺伝子を同定しているが、そのうちの一つに腎臓や唾液腺などの外分泌性器官において管構造を形成する上皮細胞で特異的に発現していることが明らかになったclone43遺伝子がある。今年度はその機能解析を個体レベルで行うことを目的として、この遺伝子の機能が欠質した変異体マウスを作製し、解析を行った。その結果、これら器官の分化に異常が認められ、その生理的な機能が損なわれていた。したがって、Wntシグナルはこの遺伝子の発現を介して、外分泌性器官の管の分化を制御しているものと考えられた。 一方、マウスの初期発生過程においてWntシグナルは原口(原始原条)周囲や神経管背側といった複数の領域で発現しており、その機能も多岐にわたる。転写調節因子T(Brachyury)はWntシグナルの標的遺伝子であるが、Wntシグナルによるこの遺伝子の転写活性化は原口周囲において特異的であり、Wntシグナルが活性化されているその他の領域では発現が認められない。これに対して、我々は系統的な遺伝学的スクリーニングが可能なゼブラフィッシュを用いて突然変異体のスクリーニングを行い、T(Brachyury)を原口周囲以外にも異所的に発現する変異体を多数獲得することに成功した。今年度はこれら変異体の原因遺伝子を同定を目的として、ポジショナルクローニングを進めた。
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Research Products
(6 results)