2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15207019
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野中 勝 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40115259)
|
Keywords | 補体系 / 進化 / 尾索動物 / 刺胞動物 / C3 / 膜傷害 |
Research Abstract |
すでに補体系の存在が確認されている尾索動物のホヤを用いて、補体B因子の遺伝子、タンパク両面の解析を行った。その結果B因子遺伝子はカタユウレイボヤゲノム中には隣接して3コピー存在し、いずれも発現していることが確認された。染色体FISH解析により、ホヤB因子遺伝子はC3遺伝子とは連鎖していないことが示され、これらの遺伝子間の連鎖は脊椎動物の系統で確立されたことが明らかになった。これまでホヤの補体系について確認された機能は、貪食の促進のみであったが、マボヤ体腔液をもちいた溶血アッセイにより、膜障害成分の存在が確認された。この膜障害活性を担う候補遺伝子を単離し、組み換えタンパクに対する抗体を作成して、この成分の部分精製を行った。また、補体系の起源が前口動物まで遡る可能性を検討する目的で、C3とその祖先遺伝子とされるアルファ2マクログロブリンとの遺伝子重複の時期を指標に、補体系の起源を探った。両者は機能的に重要な部分のアミノ酸配列を共有するため共通のプライマーで増幅することが可能で、これまでに行われたゲノム解析、RT-PCRの結果は後口動物には両者が、ショウジョウバエ、線虫にはアルファ2マクログロブリン(α2M)のみが存在することを示している。しかしながらこの結果はC3遺伝子が二次的に脱皮動物のゲノムから脱落した可能性を否定しない。そこで、カタツムリ、プラナリア、ヒドラ、イソギンチャク等のRNAからRT-PCRにより両者の有無を検討した結果、カタツムリ、プラナリア、ヒドラからはα2Mのみが、イソギンチャクからはα2MとC3の両者が得られ、C3の起源は刺胞動物までさかのぼることが示された。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Miyazawa, S, Nonaka, M: "Characterization of novel ascidian b integrins as primitive complement receptor subunits"Immunogenetics. (In press). (2004)
-
[Publications] Azumi, K et al.: "Genomic Analysis of Immunity in a Urochordate and the Emergence of the Vertebrate Immune System : Waiting for Godot"Immunogenetics. 55. 570-581 (2003)
-
[Publications] Ohta, Y et al.: "Two highly divergent ancient allelic linegages of the transporter associated with antigen processing (TAP) gene in Xenopus"Eur.J.Immunol.. 33. 3017-3027 (2003)
-
[Publications] Nonaka, M.I.et al.: "Complement C4b-binding protein as a novel murine epididymal secretory protein"Biol.Reprod.. 69. 1931-1939 (2003)
-
[Publications] Terado, T et al.: "Molecular cloning of C4 gene and identification of the class III complement region in the shark MHC"J.Immunol.. 171. 2461-2466 (2003)