2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳血流による脳活動評価と生理的多型性に関する生理人類学的研究
Project/Area Number |
15207025
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
原田 一 東北工業大学, 工学部, 教授 (70156511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梨原 宏 東北工業大学, 工学部, 教授 (40128971)
両角 清隆 東北工業大学, 工学部, 教授 (50337193)
畠山 英子 東北福祉大学, 総合福祉学部, 教授 (50103180)
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Keywords | 脳血流 / 脳活動評価 / 精神負担 / 生理的多型性 / テクノアダプタビリティ |
Research Abstract |
本研究では、脳血流変化による脳活動評価について生理的多型性の視点から分析を行うことを目的とし、これまで様々な精神的負担を与えた時の脳血流の測定を行っている。本年度は脳血流の測定には時間分解分光法による近赤外線酸素モニタ(TRS-10)を用いて、カーナビゲーションシステムにおける行き先設定のタスクを行っているときのパフォーマンスおよび脳血流量変化を左右の前頭部より計測し、テクノアダプタビリティとの関係から分析を行った。TRS-10では脳内酸素濃度変化を絶対値にて計測が可能であり、個人間の比較を行うことができる。 男子大学生20名(19〜22歳)、女子大学生20名(19〜22歳)を被験者として、タスクは1:カーナビの起動、2:住所から探して行き先設定、3:電話番号から探して行き先設定、4:ジャンルから探して行き先に設定、5:名称から探して行き先に設定、6:カーナビの終了、を連続して行う。 被験者を無作為に男女10名ずつに分け、カーナビのメニュー数が異なる2種類のタスクモデルA、モデルBを実施した。タスク2)の操作時間結果に基づき被験者をさらに2つのグループに分け、性差および多型性の視点から、反応時間、脳活動変化についての分析を行った。 モデルAは7つのメニューで構成され、タスクBは3つのメニューで構成されている。タスクAの2において、女性は男性よりも有意に操作時間が短かった。タスク2の操作時間中のメニュー選択に要する時間が女性において速いことが分った。モデルBではメニュー数を3つとしたため、操作時間に性差は見られなかった。女性は男性よりも多くのメニューから正しいものを選択することが速いことが分った。 前頭部の酸素濃度変化から計測した脳活動は、安静時、タスク中ともに男性が女性よりも有意に高い値を示した。男性、女性ともに脳活動は安静時と比較して、タスク中に有意に増大した。また、タスク2とタスク3のように、類似のタスクではタスク2と比較してタスク3では減少することが観察された。さらに、操作時間が速いグループと遅いグループとの間にも計測値に差が見られた。TRS-10を用いた計測により、精神的負担の違いを生理的多型性の視点から比較できる可能性が明らかとなった。
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Research Products
(3 results)