2005 Fiscal Year Annual Research Report
作物における塩ストレス障害の発現機構とその軽減対策
Project/Area Number |
15208002
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三宅 博 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (60134798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 光隆 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (40231419)
川崎 通夫 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 助手 (30343213)
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Keywords | 維管束鞘葉緑体 / 塩ストレス / カリウム / カルシウム / 螢光特性 / C_4植物 / ジカルボン酸輸送体 / 葉肉葉緑体 |
Research Abstract |
1.水稲を大型プラスチックコンテナを用いた人工水田で収穫期まで栽培し、塩ストレスによる成長および収量への影響と、カルシウム、カリウム、マグネシウム化合物による障害軽減効果を調べた。水耕栽培で調べた成長への影響で、カルシウム化合物による障害軽減効果が最も顕著であったが、土壌を用いた人工水田ではKNO_3の効果が最も顕著で、収量の回復も認められ、カリウムとともに窒素施肥の増加による塩ストレス障害軽減効果が示唆された。植物体の元素分析を行ったところ、播種後50日頃までは成長量と地上部のNa/K比には高い負の相関があったが、収穫期においてはNa/K比よりも成長量とNa含量に高い負の相関があった。 2.2種類の葉緑体を持つNADP-ME型C_4植物のトウモロコシを用いて、塩ストレスが葉緑体におよぼす影響を調べた。螢光特性を調べることにより、塩ストレスによって光化学系IIの機能が障害を受けることが明らかになった。また光化学系IIを持つ葉肉葉緑体では顕著な障害が現れたが、維管束鞘葉緑体では内膜系への障害が現れず、障害発生に活性酸素が関与していることが示唆された。DAB染色により、葉肉葉緑体には塩ストレスによって多量の過酸化水素が蓄積していることが明らかになった。一方、維管束鞘葉緑体では本来形成されないグラナが塩ストレスによって形成されることが明らかになった。 3.葉緑体内包膜に存在する2-オキソグルタル酸/リンゴ酸輸送体(OMT)遺伝子を破壊したシロイヌナズナをもちいて、強光ストレスの影響を調べた。螢光特性を調べたところ、OMT遺伝子破壊株では光化学系IIへの障害が認められ、OMTが各種の環境ストレスにおいて葉緑体からの過剰な還元力の放出に関与していることが示唆された。
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Research Products
(4 results)