2003 Fiscal Year Annual Research Report
フザリウム病原菌の2種の転写制御因子によって制御される病原性遺伝子群の網羅的同定
Project/Area Number |
15208005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柘植 尚志 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (30192644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 博文 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (30240245)
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Keywords | 植物病原糸状菌 / Fusarium oxysporum / メロンつる割病菌 / 病原性関連遺伝子 / 転写制御因子 / cDNAサブトラクション / 胞子形成関連遺伝子 |
Research Abstract |
先に研究代表者らは、Fusarium oxysporum病原菌のうちメロンつる割病菌(F.oxysporum f.sp.melonis)から、病原性に不可欠な転写制御因子をコードすると推定される2遺伝子(FOW2およびFOW3)を同定した。本研究の目的は、両遺伝子の産物が転写制御因子であることを確認するとともに、両遺伝子によって制御される病原性関連遺伝子群をcDNAサブトラクション法によって同定することである。本年度の成果を以下に要約する。 1.Fow2およびFow3の細胞内局在性 Fow2またはFow3と緑色蛍光タンパク質(GFP)との融合タンパク質発現ベクターを作製し、野生株に導入した。導入株におけるGFP蛍光の細胞内局在性を観察したところ、どちらの融合タンパク質も核に局在することが明らかとなり、両タンパク質が転写制御因子であることがさらに確認された。 2.FOW2およびFOW3の発現様式 効率的にcDNAサブトラクションを行うためには、両遺伝子が比較的高発現する培養条件を選定する必要がある。そこで、各種培地で培養した場合の両遺伝子の発現レベルを比較した。その結果、両遺伝子はほとんどの培地で低レベルながらも恒常的に発現することが明らかとなった。そこで、効率よくmRNAを調製することができるジャガイモ煎汁培地を用いることにした。 3.cDNAサブトラクションライブラリーの作製 野生株と比較してfow2変異株またはfow3変異株で発現が低下または消失したcDNAクローンを選抜するために、PCR-Selected cDNA Subtraction Kit(クロンテック社)を用いて、野生株cDNAからfow2変異株またはfow3変異株のcDNAをサブストラクトしたライブラリーを作製した。現在、cDNAマクロアレイ法によって目的クローンの選抜を進めている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Toshiaki Ohara: "REN1 is required for development of microconidia and macroconidia, but not of chlamydospores, in the plant pathogenic fungus Fusarium oxysporum"Genetics. 166・1(印刷中). (2004)
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[Publications] 島本 功: "新版分子レベルから見た植物の耐病性:ポストゲノム時代の植物免疫研究"秀潤社. 214 (2004)