2006 Fiscal Year Annual Research Report
フザリウム病原菌の2種の転写制御因子によって制御される病原性遺伝子群の網羅的同定
Project/Area Number |
15208005
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柘植 尚志 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 教授 (30192644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 博文 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 助教授 (30240245)
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Keywords | 植物病原糸状菌 / Fusarium oxysporum / メロンつる割病菌 / 病原性関連遺伝子 / 転写制御因子 / cDNAサブトラクション / 胞子形成関連遺伝子 |
Research Abstract |
メロンつる割病菌(Fusarium oxysporum f.sp.melonis)から同定した病原性に不可欠な転写制御因子Fow2および胞子形成に不可欠な転写制御因子Ren1を中心に、以下の研究を実施した。 1.FOW2と連鎖して存在する遺伝子 FOW2をコードするBACクローン(99kb)の塩基配列を決定し、先に同定したFow2によって制御される病原性遺伝子VRF2-1が密に連鎖して存在することを明らかにした。さらに、29個の推定遺伝子を同定し、VRF2-1以外にもFow2によって制御される遺伝子が存在することを見出した。 2.他の糸状菌におけるFOW2相同遺伝子の分布 データベース相同性解析、PCR解析などによって、FOW2相同遺伝子が子のう菌または不完全子のう菌に広く分布することを見出し、植物病原菌に共通な病原性制御遺伝子であることを示唆した。 3.病原性変異株の生物防除活性 病原性が失活または著しく低下したfow2変異株、fow3変異株およびfopck1変異株を用いて、それらの前接種によるメロンつる割病の発病抑止効果を検定した。その結果、fow2変異株のみが顕著な発病抑止効果を示すこと、すなわち変異運伝子によって生物防除活性が異なることが明らかとなった。 4.胞子形成制御因子Ren1によって制御される遺伝子の胞子形成における機能 Ren1によって制御される遺伝子のうち6遺伝子について、遺伝子破壊によって胞子形成における機能を解析し、6遺伝子のうち亜硝酸還元酵素遺伝子が硝酸同化だけでなく、胞子形成にも関与することを見出した。本遺伝子の破壊株は、形態的に正常な小型胞子、大型胞子、厚膜胞子を形成するが、大型胞子形成数が著しく減少し、亜硝酸還元酵素が大型胞子形成を量的に制御することが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)