2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15208012
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大東 肇 京都大学, 農学研究科, 教授 (80026583)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 尚亮 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (60178499)
入江 一浩 京都大学, 農学研究科, 助教授 (00168535)
|
Keywords | プロテインキナーゼC / ジアシルグリセロールキナーゼ / ホルボールエステル / 亜鉛フィンガー / C1ドメイン / 発がんプロモーター |
Research Abstract |
プロテインキナーゼC(PKC)は、発がんプロモーターであるホルボールエステルの主要なターゲットである。ホルボールエステルは、PKCアイソザイムそれぞれに2つずつ存在するC1ドメイン(C1A、C1B)に結合する。最近、PKC以外のホルボールエステル受容体が指摘されており、発がんプロモーションのメカニズムを明らかにするためには、PKC以外の情報分子も視野に入れる必要がある。本年度は、ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)に注目し、これらのC1ドメインに含まれる50残基の亜鉛フィンガー様配列(C1ペプチド)を化学合成し、構造機能解析を行った。 DGKは9種類のアイソザイムからなり、PKCC1類似ドメインを複数有している。筆者らは、PKCC1ドメインと50%以上のホモロジーを有するDGKC1ペプチド11種を化学合成し、phorbol12,13-dibutyrate(PDBu)に対する結合能を測定した。その結果、rat-DGK_γおよびrat-DGKβのC1Aペプチドに顕著な結合能が検出された(K_d=3.6、14.6nM)。そこで全長のrat-DGK_γをCOS細胞で発現させたところ、そのPDBuに対する解離定数(4.4nM)はC1Aペプチドの値(3.6nM)とよく一致していた。さらにGFPを結合させたrat-DGK_γおよびそのC1ドメイン欠損体を、CHO-K1細胞に発現させ、ホルボールエステルの一種であるTPAで刺激したところ、野生型およびC1B欠損体のみ、細胞質から細胞膜に不可逆的に移行した。以上の結果は、DGK_γがホルボールエステルの新しい受容体であることを示している。さらに、rat-DGK_γ-C1AのNMRによる立体構造解析を行うため、中性条件下での溶解性およびフォールディング効率の優れたシークエンス(60残基)を同定した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Mayumi Shindo: "Synthesis and phorbol ester binding of the cysteine-rich domains of diacylglycerol kinase(DGK) isozymes"The Journal of Biological Chemistry. 278・20. 18448-18454 (2003)
-
[Publications] 入江 一浩: "ペプチド合成によるホルボールエステル受容体の機能解析"化学と生物. 42・1. 54-62 (2004)