2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15208012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大東 肇 京都大学, 農学研究科, 教授 (80026583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 一浩 京都大学, 農学研究科, 助教授 (00168535)
齋藤 尚亮 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (60178499)
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Keywords | プロテインキナーゼC / ホルボールエステル / C1ドメイン / RasGRP / chimaerin / Unc13 / indolactam-V / 亜鉛フィンガー |
Research Abstract |
プロテインキナーゼC(PKC)は、細胞内情報伝達の要に位置するタンパク質リン酸化酵素であり、発がんプロモーターであるホルボールエステルの主要な受容体としても注目されている。発がんプロモーターは、PKCアイソザイムのC1ドメインに存在する亜鉛フィンガー様配列に結合する。近年、PKC C1ホモロジードメインをもつPKC以外の受容体が報告されており、発がんプロモーションのメカニズムを明らかにするためには、PKC以外の情報分子も視野に入れる必要がある。今年度は、non-kinaseタイプの受容体であるRasGRP1-4、chimaerins、Unc13、Munc13に注目して、これらのC1ドメインの亜鉛フィンガー様配列(C1ペプチド)を化学合成し、phorbol 12,13-dibutyrate(PDBu)に対する結合能を測定した。その結果、Munc13を除くすべてのC1ペプチドが、ホスファチジルセリン存在下で、全長酵素と同等のPDBu結合能を有することを見いだレた。同時に、C1ペプチド中の塩基性アミノ酸残基数が酸性アミノ酸残基数よりも5個程度多いことが、PDBu結合に重要であることも明らかにした。 5-Prenyl-indolactam-Vは、novel PKCアイソザイム(δ,ε,η,θ)のC1Bドメインに対して高い結合選択性をもつ化合物である。本化合物は、今回合成したnon-kinaseタイプのホルボールエステル受容体に対しては、弱い結合能しか示さなかった。トランスジェニックマウスを用いた最近の研究によって、3種のnovel PKCアイソザイム(δ,ε,η)が発がんプロモーションに関与していることが指摘されている。従って、本化合物は、発がんプロモーションのメカニズム解析への応用が可能である。
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Research Products
(3 results)