2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15208012
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大東 肇 京都大学, 農学研究科, 教授 (80026583)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 一浩 京都大学, 農学研究科, 助教授 (00168535)
齋藤 尚亮 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (60178499)
|
Keywords | 亜鉛フィンガー / アプリシアトキシン / インドラクタム / ジアシルグリセロールキナーゼ / C1ドメイン / 発がんプロモーター / ブライオスタチン / ホルボールエステル |
Research Abstract |
プロテインキナーゼC(PKC)は,発がんプロモーター・ホルボールエステルの受容体として注目されている.発がんプロモーターは,PKCアイソザイムのC1ドメインの亜鉛フィンガー様配列に結合する.2003年,本研究代表者らは,PKC C1ホモロジードメインをもつジアシルグリセロールキナーゼγ(DGKγ)が,ホルボールエステルの新しい受容体であることを明らかにした.本年度はまず,すべてのPKCおよびDGKアイソザイムのC1ドメインのアミノ酸配列のアラインメントおよびホモロジーモデリングを行ない,その結果に基づいて,ホルボールエステルとの結合に重要と考えられるリガンド結合部位のアミノ酸残基を予測した.次に,ホルボールエステル非結合性のDGKδ-C1Aドメインに予測した変異を12箇所導入した結果,ホルボールエステル結合型に改変することに成功した. PKCを標的とした抗がん剤として海洋天然物・ブライオスタチン(1)が知られているが,天然からの単離収率が低く,合成も極めて困難である.そこで,1に類似したラクトン構造を有する発がんプロモーター・アプリシアトキシン(2)をリードとして,合成が容易な新規抗がん剤の開発を試みた.化合物1は,天然発がんプロモーターに比べ,分子疎水性が顕著に低い.そこで,2の不斉炭素に結合しているメチル基を複数除去して疎水性を下げると同時に,ヘミアセタールをアセタールに変換することにより合成を容易にした新規アナログ(3)を設計した.化合物3のラクトン環形成は,分子内ケタール-アセタール形成反応により行なったが,アセタール部分の立体配置が逆のエピ体(4)しか得られなかった.しかしながら,4は有意にPKCに結合し,1に特徴的なPKCδの細胞質から核膜への移行を一部示した.本結果は,4が1に代わる新規抗がん剤のリードになりうることを示唆している.
|
Research Products
(2 results)