2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15208016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
浦木 康光 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (90193961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 和彦 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (80222256)
船田 良 東京農工大学, 農学部, 助教授 (20192734)
高部 圭司 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (70183449)
玉井 裕 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (50281796)
近藤 哲男 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (30202071)
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Keywords | 人工細胞壁 / セルロースの配向制御 / ヘミセルロースの堆積機構 / リグニン合成経路 / ナノテクノロジー / リグニン-炭水化物複合体 / 階層構造 / ハニカム構造 |
Research Abstract |
本年度は、「人工細胞壁創製」のための基礎研究として、(1)細胞壁構築過程の分子及び組織学的解明と、(2)構築機構を模倣した細胞壁成分を規則的に堆積する技術の開発について検討を行った。 (1)については、リグニン前駆物質であるコニフェリルアルコールが、その配糖体であるコニフェリンを経て、コニフェリルアルデヒド配糖体に変換された後、リグニン生合成のための前駆体となる新たな経路を提案した。 また、ヘミセルロースのセルロースへの堆積過程を免疫電子顕微鏡法により観察して、グルコマンナンとグルクロノキシランの新たな堆積機序を提案し、ヘミセルロースの堆積に続くリグニンの重合(木化)との関係について新たな知見を得た。さらに、壁孔等を形成するためのセルロース生合成機構についても検討を加え、細胞間を連絡させる孔形成にはアクチンとミオシンの細胞運動に関連する蛋白質が、セルロース合成に多大な影響を与え、キー物質となることが分かった。これらを基に、新規な細胞壁構築機構を構築中である。 (2)については、成熟した細胞の基本骨格となる、ハニカム形状を模倣した規則構造体をセルロースから創出する技術の開発を、先ず検討した。高分子の自己組織化に基づいてセルロースから直接ハニカム構造体の調製を目指したが、孔径や孔の配列が不規則であり、完全なハニカム形状を得ることができなかった。しかし、他の高分子から作成したハニカム構造体を基に、転写法により、完全なハニカム構造体がセルロースから作成できた。さらに、ハニカム状セルロース構造体を三次元的に発達させる技術として、セルロースを産生する酢酸菌の作用により、高さ方向にセルロースを堆積させる方法を見出した。加えて、酢酸菌の運動及び増殖方向を制御できる培地の開発にも成功した。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] K.Yamauchi: "Multiform biosynthetic pathway of syringyl lignin"Planta. 216(3). 496-501 (2003)
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[Publications] M.Nishida: "Lignin gel with unique swelling property"Bioresource Tech.. 88. 81-83 (2003)
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[Publications] T.Kishimoto: "Ozone bleaching of atmospheric acetic acid pulp from Betula platyphylla var. japonica Hara"Holzforschung. 57. 181-188 (2003)
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[Publications] H.Sato: "New process for producing cellulose acetate from wood in concentrated acetic acid"Cellulose. 10. 397-404 (2003)
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[Publications] Hagiwara, Y: "Subcellular localization of host and viral proteins associated with tobamovirus RNA replication"The EMBO Journal. 22. 344-353 (2003)
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[Publications] 船田 良: "樹木細胞壁の構造と形成 -光合成同化産物のシンクとしての機能-"日本応用糖質科学会誌. 50. 513-514 (2003)
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[Publications] C.Zhang: "Contact and Non-Contact Proprtions between axial Elements and Rays"IAWA Journal. 24(3). 247-255 (2003)
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[Publications] Y.Tsuiji: "The behavior of deuterium-labeled monolignol and monolignol glucosides in lignin biosynthesis in angiosperms"Journal of Agricultural and Food Chemistry. 52(1). 131-134 (2004)
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[Publications] W.Kansai: "Fabrication of Honeycomb-Patterned Cellulose Films"Macromolecular Bioscience. 4. 17-21 (2004)
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[Publications] 福島 和彦: "木質の形成"海青社. 361 (2003)