2004 Fiscal Year Annual Research Report
中山間地域の農林畜産業によって形成された地域環境の評価と環境保全技術の体系化
Project/Area Number |
15208022
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
木村 和弘 信州大学, 農学部, 教授 (40021092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 敏行 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (40026456)
森下 一男 香川大学, 工学部, 助教授 (80036061)
星川 和俊 信州大学, 農学部, 教授 (40115374)
丸谷 知巳 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40112320)
内川 義行 信州大学, 農学部, 助手 (20324238)
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Keywords | 中山間地域 / 環境保全機能 / 物質循環 / 農林畜産連携 / 里地・里山 / 災害 / 地域資源管理 / 集落 |
Research Abstract |
1.本年度は、中央構造線に沿って位置する淡路島の農村及び愛媛県内子町を対象に、研究グループ全員による調査を実施して、農村の生活や生産によって形成される環境保全機能を地域内の物質循環からとらえる手法の検討を行った。そこでは、中山間地域の環境保全技術の形成のためには、耕畜林連携による地域有機資源循環システムの形成が基礎に位置付けられることを確認し、土地・施設・道路のシステムの構築が重要であることを明確にした。 2.伝統的集落が持つ三つの特性(豊かな自然、在地技術に基づく文化資源、組織や人間関係の社会環境資源)が、環境保全技術に関連することを明らかにした。 3.地域の物質循環と災害との関連も検討された。物質循環を基礎づける地域の在地技術の検討を通じて、従来からの土地利用技術が災害軽減に機能することを明らかにした。 4.農業生産に基づく生活や生産活動の平時、非常時の役割を明確にした。平時には、生産の結果、自然環境、伝統文化、景観形成などの環境保全機能として作用し、災害などの非常時には、地域の連帯機能や防災機能として作用する。特に震災時の機能について淡路島農村を中心にため池を中心とする農村の災害に対する意識や行動を検討し、これらの機能を明らかにした。 5.これらの中山間地域の環境保全技術を災害との関連で位置付け、地域の営みや歴史的維持が災害に対して、どのように機能したかを検討するため、「災害を地域の持続から考える」と題するシンポジウムを平成17年3月26日に伊那市で開催した。
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Research Products
(7 results)