2005 Fiscal Year Annual Research Report
GISを用いた農業水利施設の健全度診断と環境影響評価技術の開発
Project/Area Number |
15208023
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青山 咸康 京都大学, 農学研究科, 教授 (20026561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 晃 京都大学, 農学研究科, 助教授 (80261460)
木山 正一 京都大学, 農学研究科, 助手 (20293920)
山本 清仁 京都大学, 農学研究科, 助手 (60362430)
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Keywords | GIS / 植生指標 / ため池 / 決壊 / 漏水 / 地中レーダー / 一面せん断 |
Research Abstract |
1.平成16年の台風23号豪雨による淡路島ため池被害分析におけるGISデータの利用:平成16年10月20日に近畿中央部を通過した台風23号に伴う豪雨により淡路島内の108個のため池が決壊した.災害発生直後より,各種の研究グループにより被害の実態解明調査が行われ,本研究課題においても何度かの現地データ収集を行った.これによりため池被災のリスク解析を行いこれにGISデータによる,正規化植生指標:NDVI値を反映させ,ため池流域の植生状態の,被災に対する影響を評価しようとした.結果的には正規化植生指数があるていど大きな地域に決壊数の多いことが判明した. 2.広帯域EM(電磁波)プロファイラによるため池管理状況の診断:この装置は平成16年度に購入したものであるが,いわゆる地中レーダーと呼ばれるものと同機能のもので,地中の何らかの物性値〓〓連続面があるとそこで電磁波が反射する性質を利用するものである.電磁波の送受信部を地表で移動させることにより物質境界(反射面)の空間的分布を知るものである.この計測器をため池堤体の診断に用い,停滞中の地下水面(浸潤面)推定に応用し一定の成果を入ることができた.なおこの装置(テラEMプロファイラ)は使用時相当の発熱があり,炎天下での使用は無理であることが判明した. 3.不飽和土のせん断特性解明:このため地盤工学会型の一面せん断試験機を購入し不飽和土のせん断特性解明のための基礎実験を続けている. 4.水質分析:溶解成分分析計を購入し,ため池貯水池の水質分析を行った.これにより堤体からの漏水が発見された場合,はたしてこれが堤体を通じた流れかそうでないかを判定するのに水質分析は一般に有効な方法である.分析成分はCl^-,S^<-->,Na^<++>,K^+,Ca^<++>,イオンである.計測はイオン選択性電極による.あるため池にこの方法を用い,いわゆるヘキサダイアグラムを貯水池と漏水とで調べた場合,両者が殆ど同一であったため,漏水経路は堤体経由であると判断できた.
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Research Products
(6 results)