2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15208029
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
堀内 基広 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (30219216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 睦 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (00183179)
大橋 和彦 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (90250498)
前田 秋彦 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (70333359)
古岡 秀文 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (60238665)
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Keywords | プリオン / スクレイピー / BSE / DNAマイクロアレイ |
Research Abstract |
プリオンの複製に関与する宿主因子の同定、およびプリオン複製機構の解明は、プリオン複製過程を標的としたプリオン病治療法の開発に大きく貢献すると考えられる。しかし、プリオンの複製に関与する因子は、PrP遺伝子以外には殆ど明らかとなっていない。プリオン感受性および非感受性細胞の比較により、プリオン複製に関する宿主因子の同定が可能になると考えられる。比較対象は、できるだけ近縁のものが良いと考えられることから、マウス神経芽細胞Neuro2aのサブクローンを多数樹立して、サブクローンのプリオン感受性を調べた。マウス順化スクレイピーChandler株感染脳乳剤を細胞に接種して、9継代目までPrP^<Sc>が陽性となるサブクローンをプリオン感受性と判断した。31クローン中19クローンがプリオン感受性であった。サブクローンのPrP^Cの発現をウエスタンブロットおよびフローサイトメーター(FACS)で調べた結果、プリオン非感受性のサブクローンN2a-24でPrP^Cの発現量が親株の1/10程度まで低下していた。一方、プリオン非感受性のN2a-1ではPrP^Cの発現は親株やプリオン感受性N2aサブクローンと同程度であった。N2a-24はPrP^Cの発現が低いこととプリオン非感受性が関連すると考えられるが、N2a-1の結果は、PrP^C以外にもプリオン感受性に関与する宿主因子の存在を示すと思われる。プリオン感受性サブクローンN2a-3およびN2a-5とN2a-1におけるPrP^<Sc>の吸着を検討したが、感受性・非感受性サブクローン間でPrP^<Sc>の吸着には差が認められなかった。DNAマイクロアレイ法により、N2a-1,3,5およびプリオン感受性のGT1-7マウス視床下部由来細胞、プリオン非感受性のC8-Sマウスアストロサイトにおける遺伝子発現を比較した結果、プリオン感受性細胞で発現が2倍以上高い遺伝子を40、非感受性細胞で発現が高い遺伝子を117にまで絞り込むことが出来た。今後、これら候補遺伝子のプリオン複製への影響をsiRNAおよび候補因子の阻害剤を使用して検討する。
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Research Products
(4 results)