2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15209017
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松浦 善治 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (50157252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森石 恆司 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (90260273)
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Keywords | HCV / 感染機構 / 受容体 / シュードタイプウイルス / エンベロープ蛋白質 |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルス(HCV)に感染すると肝硬変を経て高率に肝細胞癌を発症する。我が国には2百万人ものHCV感染者が存在すると推定され、既感染者に対する有効な肝癌進展阻止法の開発が急務である。HCVのリセプター候補として、hCD81,SR-B1,LDLr, DC-SIGNなどが報告されているが決定的なものはない。 本研究はHCVの宿主細胞への侵入の分子メカニズムを明らかにすることを目的とした。遺伝子型の異なるHCVのエンベロープ蛋白質をポリプロテインの形で発現させたCHO細胞と293T細胞を用いて、HCVのエンベロープ蛋白質を被ったシュードタイプ水疱性口内炎ウイルス、HCVpv/CHOとHCVpv/293Tをそれぞれ作製した。HCVpv/CHOはhFGFR5依存的にHepG2細胞に高い感染性を示したのに対し、HCVpv/293TはhCD81依存的にHuh7細胞に高い感染性を示した。また、慢性C型肝炎患者血清中にはHCVpv/293Tに対する高い中和抗体が高率に検出されたのに対し、HCVpv/CHOに対する中和抗体価は低かった。C型肝炎患者の体内にはhCD81-tropicとhFGFR5-tropicなHCVが産生されている可能性が示唆された。この性状の違いは、感染細胞の種類(肝細胞、リンパ球など)に起因するのか、あるいは同一細胞における感染経過の違いによるものなのかは今のところ不明である。hCD81-tropicなHCVは大量に産生されて、hCD81との相互作用を介して、主に免疫機構の攪乱やクリオグロブリン血症などの肝外病変の発症に関与し、hFGFR5-tropicなHCVは少量産生され、抗体に中和されずに持続感染に関与が示唆された。
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Research Products
(4 results)