2004 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノミクス・プロテオミクスによる年齢推定に関する法医学的研究
Project/Area Number |
15209023
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
安田 年博 福井大学, 医学部, 教授 (80175645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 紘一郎 群馬大学, 医学部, 教授 (30169841)
飯田 礼子 福井大学, 医学部, 助手 (40139788)
河合 康幸 福井大学, 医学部, 助手 (40324157)
植木 美鈴 福井大学, 医学部, 教務職員 (00165656)
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Keywords | 年齢推定 / 法医学的応用 / deoxyribonuclease I / 血清 / 心筋梗塞 / 年齢依存性生体分子 / ペルオキシソーム / ミトコンドリアDNA |
Research Abstract |
本研究では、ゲノミクスおよびプロテオミクスの方法論を利用して、臓器や体液中に存在する各種の年齢依存性生体分子を検索し、これらをマーカーとして法医学的試料からの年齢推定法を確立することを目的とする。 1.最近、年齢とmtDNA量との間の正の相関が報告され、mtDNA量を指標とした年齢推定の可能性が示唆された。そこで、年齢別に採取したマウス各臓器中のmtDNA含有量を系統的に解析し、比較検討を行った。mtDNA含有量は臓器により大きく異なり、骨髄、脾、肺で低く、他方心、骨格筋で高い傾向を示した。臓器によるmtDNA含有量のバラツキは、生後2週および15ヶ月のマウスでそれぞれ20倍、50倍の範囲内で認められた。加齢に伴うmtDNA含有量の増加は、心、肺、腎、脾、骨格筋で認められたが、骨髄および脳では年齢依存性の変化は認められなかった。以上の結果から,年齢推定に用いる臓器にはmtDNA含有量が高く年齢依存性の変化を示す心や骨格筋が適しているものと考えられた。 2.前年度、ヒト脳下垂体において年齢依存性変化を示すDNase Iの血清中酵素活性が急性心筋梗塞の発症に伴い有意に上昇することを見出した。今回、多数の患者群ならびに関連疾患罹患患者群について精査したところ、急性心筋梗塞発症直後に血清中酵素活性が上昇し、約3時間後に最大値となり、その後活性が減少することを検証した。このような活性変動は急性心筋梗塞特異的であり、従って血清DNase Iは急性心筋梗塞の急性期の診断マーカーになりうることが確認された。 3.従前の研究で見出したマウス腎臓に見出された新規な年齢依存性生体分子M-LPについて、その局在部位であるルオキシソーム膜におけるトポロジーを解析した。その結果、M-LPは4回膜貫通型膜タンパクであり、そのNおよびC末端ドメインを細胞質側に露出していることを明らかにした。
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Research Products
(13 results)