2005 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノミクス・プロテオミクスによる年齢推定に関する法医学的研究
Project/Area Number |
15209023
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
安田 年博 福井大学, 医学部, 教授 (80175645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 礼子 福井大学, 医学部, 助手 (40139788)
河合 康幸 福井大学, 医学部, 助手 (40324157)
植木 美鈴 福井大学, 医学部, 教務職員 (00165656)
岸 紘一郎 群馬大学, 医学部, 教授 (30169841)
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Keywords | 年齢推定 / ゲノミクス / deoxyribonuclease I / 法医学的応用 / 年齢依存性生体分子 / 虚血 |
Research Abstract |
本研究では、ゲノミクスおよびプロテオミクスの方法論を利用して、臓器や体液中に存在する各種の年齢依存性生体分子を検索・解析し、これらをマーカーとして法医学的試料からの年齢推定法を確立することを目的とする。さらに、これら年齢依存性生体分子の機能を解明する 1.従前の研究でマウス腎臓に見出した新規な年齢依存性生体分子M-LPについて、その分子生物学的解析を行った;(1)M-LP遺伝子を構成する5個のエクソンのうち、第2エクソンをスキップした選択的スプライシング産物を同定した。この産物はペルオキシソーム膜局在型isoform(M-LP_L)のC末端側よりなるisoform(M-LP_S)をコードしていた。(2)M-LP_Sの細胞質局在は細胞質ゾルであることを明らかにした。(3)M-LP_LとM-LP_Sの発現は異なる転写開始エクソンを利用した。(4)M-LP_SはSOD-2遺伝子の転写を促進した。(5)M-LP_SはM-LP_Lに比して顕著な年齢依存性発現を示した。従って、これらM-LP分子種は加齢に伴う抗酸化作用の変動に関与するものと考えられた。 2.従前の研究で、ヒト脳下垂体において年齢依存性変化を示すdeoxyribonuclease I(DNase I)の血清活性が急性心筋梗塞の発症に伴い有意に上昇することを見出した。今回、一過性の心筋虚血を惹起する経皮的冠動脈形成術適応の患者群について精査したところ、施行直後に血清酵素活性が上昇し、約3時間後に最大値となり、その後活性が減少することを検証した。このように血清DNase Iは一過性の心筋虚血によって活性上昇が誘導され、従って一過性心筋虚血の診断マーカーになりうると考えられた。 3.マウスで見出したM-LPのヒトオーソログを同定した。その細胞内局在や生理的機能を解析する予定である。
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Research Products
(9 results)