2006 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノミクス・プロテオミクスによる年齢推定に関する法医学的研究
Project/Area Number |
15209023
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
安田 年博 福井大学, 医学部, 教授 (80175645)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 礼子 福井大学, 医学部, 助手 (40139788)
河合 康幸 金沢医科大学, 医学部, 助手 (40324157)
植木 美鈴 福井大学, 医学部, 教務職員 (00165656)
小湊 慶彦 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30205512)
|
Keywords | 年齢推定 / プロテオミクス / ゲノミクス / 法医学 / フィブロネクチン / 年齢依存性生体分子 / 一次構造 / ペルオキシソーム |
Research Abstract |
本研究では、ゲノミクスおよびプロテオミクスの方法論を利用して、臓器や体液中に存在する各種の年齢依存性生体分子を検索・解析し、これらをマーカーとして法医学的試料からの年齢推定法を確立することを目的とする。さらに、これら年齢依存性生体分子の機能を解明する。 1.従前の研究で見出したマウス腎臓に見出された新規な年齢依存性生体分子M-LPにっいて、年齢推定マーカーに利用できるヒトホモローグを同定・解析した;(1)ヒトM-LP遺伝子は全長約14kbに及び、4個のエキソンから構成され、少なくとも2種類のalternative splicing isoformを産生することが明らかとなった。長いtranscript (M-LPH1)は196個のアミノ酸残基をコードする全長2304bpから、他方短いtranscript (M-LPH2)は147個のアミノ酸残基をコードする長2233bpから構成されていた。(2)両M-LPHともubiquitousに発現しており、特に心、腎、肝、肺、膵臓および骨格筋に高い発現が観察された。(3)M-LPHはペルオキシソームに局在した。(4)M-LPHはGpx3およびCAT遺伝子発現を抑制するなど、活性酸素代謝系酵素の発現調節に関与していた。 2.従前のプロテオミクス解析によって見出した若年者尿特異的糖タンパク質Ugl-YのC領域のアミノ酸配列が決定でき、その全一次構造が明らかとなった。その結果、Ugl-Yはfibronectinの若年者特異的proteolysisによって産生されたものであることが解明された。 3.従前の研究で、ヒト脳下垂体において年齢依存性変化を示すdeoxyribonuclease I (DNase I)の血清活性が急性心筋梗塞の発症に伴い有意に上昇することを見出した。今回、DNase I産生細胞を用いた解析から、DNase I遺伝子は低酸素暴露によってその発現が惹起されることが明らかとなった。これは心筋虚血に伴う血清DNase Iの一過性上昇の機構を説明するものと考えられた。
|
Research Products
(9 results)