2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経・免疫・内分泌ネットワーク形成と調和的組織形成機構の発生工学的解析
Project/Area Number |
15209034
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
大谷 浩 島根大学, 医学部, 教授 (20160533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八田 稔久 島根大学, 医学部, 助教授 (20238025)
橋本 龍樹 島根大学, 医学部, 助手 (90252907)
宇田川 潤 島根大学, 医学部, 助手 (10284027)
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Keywords | マウス胎児 / 子宮外発生法 / ACTH / レプチン / NPY / LIF / gp130 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、ACTH産生腫瘍であるAtT-20培養細胞を、マウス胎児皮下にガラスピペットを用い注入し生着せしめ、持続的高濃度ACTHの一次的および二次的効果を、中枢神経系・内分泌系および分岐型臓器など全身諸組織・臓器にっき、形態学的・生化学的・分子生物学的に解析を進めた。ACTH受容体であるメラノコルチン受容体のマウス胎児全身における発現様式をさらに詳細に検討した。発現を認めた臓器のうち、肺、腎臓の他、生殖腺などで、AtT-20移植マウス胎児において形態学的および生化学的変化を認め、ACTHの胎生期における組織形成および胎生期機能に関する作用が示唆された。 レプチンおよびNPYの胎生期・新生児期における作用につき、レプチン欠損ob/obマウスと野生型の脳などの比較を行い、また胎児へのレプチン投与実験により、主に中枢神経系の組織形成に対する作用を検討した。さらに神経前駆細胞培養系をも用いて、レプチンの胎生期神経系への作用を解析し、新規の機能を示唆する所見を得た。NPYについては、新生児期の大脳皮質における軸索伸長および髄鞘形成に関する作用を示唆する所見を得た。 gp130 superfamilyのリガンドについて、昨年に続いて脳内・外の発現・産生部位を免疫染色など形態学的およびウエスタン解析、ELISAなど生化学的手法により検索した。その結果、脳脊髄液中に各種のリガンドが存在すること、胎盤におけるリガンドの発現誘導などを示唆する所見が得られた。したがって、大脳皮質組織形成に大脳皮質内において提唱されているパラクライン以外の機構が関わる可能性が示唆された。
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Research Products
(7 results)