2005 Fiscal Year Annual Research Report
早期の癌に対する標準的放射線治療方法確立のための研究
Project/Area Number |
15209038
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山田 章吾 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60158194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
晴山 雅人 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10173098)
西村 恭昌 近畿大学, 医学部, 教授 (00218207)
大内 憲明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90203710)
早渕 尚文 久留米大学, 医学部, 教授 (20108731)
根本 建二 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10208291)
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Keywords | 放射線治療 / 早期の癌 / 標準的治療方法 / 頭頸部癌 / 肺癌 / 食道表在癌 / 前立腺癌 / 悪性リンパ腫 |
Research Abstract |
画像診断の進歩により早期の癌が高率に発見されるようになり、また放射線治療成績の向上、QOL重視の中で早期の癌に対する放射線治療の役割が急増している。しかし、治癒の可能性の高いこれらの癌に対する標準的放射線治療方法(照射野、照射方法、線量分割法、総線量、小線源との併用、化学療法との併用など)は確立していないのが現状で、本研究はその確立を目指すものである。本年度は昨年度に引き続いて研究分担施設を中心に過去のデータを集積、解析するとともに、標準的放射線治療法確立のための臨床試験プロトコールを検討した。頭頸部領域では早期の中咽頭癌180例を集積し、5年生存率83%、10年生存率74%と好成績を得ている。唾液腺保護に関する臨床試験について検討した。また、全国調査により早期の下咽頭癌115例を集積し、5年生存率66%が得られた。喉頭温存は良好であるが、再発低減方法について検討した。早期肺癌については全国集計300例を詳細に解析し、2cm以下であれば48Gy/4分割が標準との結果を得た。さらに大きな腫瘍の標準的治療法の検討に入っている。また、早期肺癌に対して米国と共同で定位放射線治療と手術療法との臨床比較試験の可能性について検討している。食道表在癌に対してはすでに標準的治療方法の推奨を行い、症例が集積されているが、胸部中部表在癌に対するT字照射と局所照射の臨床比較試験のプロトコールを検討した。高齢者の頭頸部I期悪性リンパ腫の全国集計を行い、98例を集積した。化学療法併用有無による治療成績に差はなく、75歳以上高齢者では標準的治療として放射線治療単独が提案された。早期の乳癌、前立腺癌、直腸癌等についても症例を集積し、標準的治療方法提示のための解析と、必要な臨床試験について検討した。次年度は最終年度となるので、本研究成果を金原出版社より「癌治療法の選択-放射線-」(案)として出版予定である。
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Research Products
(12 results)