2005 Fiscal Year Annual Research Report
非侵襲的神経新生誘導技術の開発と実験的損傷脳への応用
Project/Area Number |
15209048
|
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
柳本 広二 国立循環器病センター(研究所), 病因部, 室長 (50281689)
|
Keywords | 神経新生 / 拡延性抑制 / 内在性神経幹細胞 / 内在性神経前駆動細胞 / 再生医療 / 再生医学 |
Research Abstract |
成長発達後の脳内において新たな神経細胞を生み出すことのできる神経前駆(幹)細胞は、ヒトをも含めた哺乳類の脳に存在しており、持続的に脳の特定の領域へのみ新生神経を生産し続けている。そして、この持続的神経新生は、長期のてんかん重積や脳虚血性刺激により活性化し、局所での新生神経数が増加することが知られていた。これまでの本研究により、長期にわたる拡延性抑制(Spreading depression, SD)による脳刺激が、S-Dラット脳室壁下帯に存在する内在性神経前駆細胞を活性化させ、さらに、その他の神経幹細胞が存在しないと考えられている脳領域である基底核や脳皮質においても、新生神経細胞(異所性新生神経細胞)が多数出現することを見出した。さらに、これらの異所性新生神経細胞の出現は拡延性抑制(SD)の発生を抑制することが知られるNMDA受容体阻害剤:MK-801の全身投与により抑制された。すなわち、正常脳を伝播し、脳に無害なSD刺激こそが内在性神経前駆細胞を活性化させ、さらに、異所性新生神経様細胞を産生させることが明らかとなった(Yanamoto H et al., Stroke, 2005)。これら異所性新生神経細胞は、脳室壁下帯に存在する神経幹(前駆)細胞より産生され、その後、脳内を移動するのか、あるいは、基底核や脳皮質に存在する神経幹(前駆)様細胞(が存在するとすれば)から産生されたかは明らかでない。脳傷害後の内在性神経細胞修復機構の活性化において、異所性神経幹(前駆)細胞の存在の可能性を、細胞分裂後のマーカーであるBrdUrd投与を用いて調べた結果、長期のSD誘発直後、或いは、様々な時間経過の後に、脳皮質内細胞群の細胞分裂の有無を調べたところ、特定の脳領域(未発表)に多数のBrdUrdを取り込む(細胞分裂直後の)細胞集団、および、細胞分裂像を観察することができた。
|
Research Products
(4 results)