2005 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学的手法を用いた変形性関節症の病態解明と治療法の開発に関する戦略的研究
Project/Area Number |
15209049
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高取 吉雄 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (40179461)
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (40282660)
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 客員助教授 (30344451)
鄭 雄一 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30345053)
石原 一彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90193341)
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Keywords | 変形性関節症 / ノックアウトマウス / 炎症 / ゲノム疫学 / 再生医療 / 軟骨 / fractional factorial design / 人工関節 |
Research Abstract |
1)Reverse geneticsからの病態解明へのアプローチ:炎症関連分子であるCOX-2、PGES-1、IL-1、TNF-alpha、および骨軟骨のメカニカルストレスシグナル分子であるZnt5の各ノックアウトマウスに、我々の確立したOAモデル(Osteoarthritis Cartilage 13:632,2005)を作成した。どのマウスにおいても、関節軟骨の破壊、骨棘形成共に同胞野生型マウスと変わらなかったため、これらの分子のOA病態への関与は弱いことが明らかとなった。 2)Forward geneticsからの病態解明へのアプローチ:OA研究の拠点としては世界最大の規模である東京大学22世紀医療センターの2つの講座を中心として、変形性膝関節症、変形性腰椎症、変形股関節症についての4つの地域コホートを用いたゲノム疫学研究(OASISプロジェクト)に着手した。まず、ゲノム情報と臨床情報の統合データベースの構築を完了した。また、和歌山山村コホート、板橋コホートについて1回目の検診をほぼ終了し、そのベースライン調査結果からOA有病率、地域差、男女差を算出した。 3)軟骨再生のための基礎検討:II型コラーゲンプロモーター-GFP導入細胞を用いた軟骨形成モニタリングシステムを用いて、手術時に摘出した小軟骨組織から、最も効率よく軟骨細胞を増殖させ、かつ増殖させた軟骨細胞を最も効率的に脱分化抑制・再分化誘導する液性因子の網羅的・系統的探索を行った。軟骨代謝を調節している12の代表的なサイトカイン・ホルモンをfractional factorial designという統計学的手法を用いて検討したところ、増殖にはFGF-2とIGF-Iの組み合わせが、脱分化抑制・再分化誘導にはBMP-2、insulin、triiodothyronin (T3)の組み合わせが最も効率的にin vitroで多量の軟骨組織を再生する組み合わせであることを解明した。本法を用いると、0.1mLの軟骨片から80mLの軟骨が再生可能である(従来は1mL)。
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Research Products
(12 results)