2003 Fiscal Year Annual Research Report
網膜変性疾患に対する国産遺伝子導入ベクターを用いた治療法の開発
Project/Area Number |
15209057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石橋 達朗 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30150428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 康平 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (10294943)
米満 吉和 九州大学, 医学部附属病院, 講師 (40315065)
居石 克夫 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70108710)
後藤 純信 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (30336028)
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Keywords | SIVベクター / rdsマウス / PEDF / FGF-2 / 神経前駆細胞 |
Research Abstract |
1.網膜変性症モデル動物における遺伝子治療効果の検討について (1)組換えウイルスベクターの作製・・神経栄養因子であるhumanFGF-2を搭載したSIVベクター(SIV-FGF-2)を作製。また、同じ神経栄養因子である色素上皮由来因子(PEDF)とFGF-2の2遺伝子を搭載したSIVベクター(SIV-dual)も新規に作製した。 (2)human PEDFのELISAシステムの確立・・抗human PEDFポリクローナル抗体(ニワトリ)と抗human PEDFモノクローナル抗体を用いたELISAを作製した。検出感度は10ug/ml以上。 (3)網膜変性症モデル動物rdsマウスでの遺伝子発現の確認・・レポーター遺伝子であるlacZを用いた病理組織学的検討により、これまでの研究結果と同様に網膜色素上皮細胞に特異的に遺伝子が導入され、少なくとも1年間は安定に発現することを確認できた。 (4)rdsマウスにおける遺伝子治療効果の確認・・生後3適齢のrdsマウスの網膜下にSIV-FGF2ベクターを投与することにより、視細胞変性の組織学的な抑制と電気生理学的な神経保護効果を確認できた。また、1年間の観察期間において、FGF-2の過剰発現により予想される副作用である病的血管新生は認められなかった。 (5)新規神経栄養因子の探索・・酵素的に分解した豚硝子体より各種カラムを利用して数種類のタンパクを分離することができた。 2.神経前駆細胞を用いた遺伝子治療法の確立について (1)毛様体境界部からの神経前駆細胞の分離・培養法の確立・・無血清培地下に球状の未分化な神経細胞を含む細胞塊の安定した採取法を確立。また、その形成過程や細胞塊の病理組織学的解析を行い、既存の上皮細胞から脱分化によりnestin陽性の神経細胞が生じる可能性を示唆する所見を得た。 (2)虹彩色素上皮細胞からの未分化細胞の分離・培養法の確立・・マウス虹彩より分離した虹彩色素上皮細胞をある条件にて培養することによりnestin陽性の神経前駆細胞を得ることができた。
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