2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽細胞腫の生物学的悪性度診断のための簡易マイクロアレイの開発と臨床応用
Project/Area Number |
15209058
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
檜山 英三 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 教授 (00218744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 規郎 放射線影響研究所, 遺伝学部, 室長(研究職) (40333546)
檜山 桂子 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教授 (60253069)
京 哲 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50272969)
山岡 裕明 広島大学, 病院・助手 (90311810)
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Keywords | 神経芽細胞腫 / マイクロアレイ / CGHアレイ / 悪性度 / カスパーゼ / メチレーション / リスク分類 / オーダーメイド治療 |
Research Abstract |
予後の明らかな322例の神経芽細胞腫を対象に検討した。アレイCGH解析では、MYCN領域の増幅や1p欠失に加え、3・4・11・14・17番染色体にも変化を認め、11qの部分欠失は予後木良で、独立の特性を示した。正常胎児悩cDNA libraryから作成したcDNAアレイ、全ゲノムのオリゴアレイ及びマイクロソートによる解析で抽出した182遺伝子にて簡易アレイを作製し、遺伝子発現を解析すると、予後不良例が95%の確率で層別化できた。また、hTERT、Caspase 8,9のプロモーターのCpG領域のメチル化を識別する簡易アレイ検索では、Caspase 8の2箇所のメチル化が予後と有意に相関し、hTERT及びCaspase 9は各々6、5箇所に変動が見られたが、予後と相関はなかった。腫瘍内にheterogeneityのある9例、生検後化学療法し摘出した30例、多発11例,再発例8例で、腫瘍部位をマイクロダイセクションし、初回摘出巣と比較したところ、遺伝子異常が加わった12例は全て予後不良であったが、多発例、再発例でDNA量の差があっても、遺伝子量が均等に増減した症例(3n、4nから2n)は予後良好で、分化との関連が示唆された。神経芽腫細胞株12株に、テロメラーゼ阻害剤GRN163やhTERTに対するsiRNAを投与で、5株に活性抑制と細胞死、増殖抑制がみられ、発現解析では細胞増殖シグナル低下とアポトーシス関連遺伝子の発現上昇を認めた。また、レチノイドにて分化誘導する3株ではMYCN発現の低下とテロメラーゼ活性の消失、アポトーシスと神経分化の関連遺伝子の発現上昇が見られた。 以上から、神経芽細胞腫の腫瘍特性は、簡易cDNAアレイとCGHアレイにて把握可能となった。また、治療への反応性、分化誘導療法の適応などの判別も可能となることが期待され、有用なツールと考えられた。
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Research Products
(47 results)