2003 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現プロファイルおよび遺伝子多型解析による口腔前癌病変からの癌化の予測
Project/Area Number |
15209070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
南雲 正男 昭和大学, 歯学部, 教授 (70013993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上條 竜太郎 昭和大学, 歯学部, 教授 (70233939)
伊東 大典 昭和大学, 歯学部, 講師 (40286844)
岩瀬 正泰 昭和大学, 歯学部, 講師 (50193743)
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Keywords | マウス / 発癌剤 / 舌粘膜上皮 / 上皮異形成 / 遺伝子発現プロファイル / DNAチップ / ヒト白板症 / 癌化 |
Research Abstract |
癌化過程におけるトランスクリプトーム解析を基礎的に検討するため、マウス(C57BL/6)に発癌物質である4NQOおよびベンゾピレンを投与し、経時的に舌粘膜上皮を採取して遺伝子発現プロファイルの変化を検討した。また、白板症症例で上皮異形成の程度および癌化に伴う遺伝子発現プロファイルの変化を解析した。その結果以下のような結果が得られた。 1.マウス舌粘膜上皮の病理組織学的検討 C57BL/6マウスに連日2% 4NQOおよびベンゾピレンを投与したところ、投与6週後の舌粘膜上皮に明らかな上皮異形成を認めた。 2.GeneChipシステムによるマウス舌粘膜癌化過程(上皮異形成形成過程)におけるトランスクリプトーム解析 病理学的検索の結果から適切な時期(投与前、上皮異形成が生じる時期、上皮異形成が重度となる時期)の標本を採取し、total RNAを抽出してビオチン標識cDNAを合成しDNAチップに標識cDNAをハイブリダイズさせた後、GenChipシステムで遺伝子発現プロファイルの変化を解析した。その結果、上皮異形成の形成ともにケラチン6,ケラチン2Aなどのケラチン遺伝子の発現プロファイルの変化が見られた。 3.白板症症例における上皮異形成の程度と癌化に伴う遺伝子発現変化 白板症症例において2の方法に準じてGeneChipシステムによって遺伝子発現プロファイルの変化を検討したところ、正常組織と比較して白板症では8個の遺伝子に2倍以上発現増強が見られ、逆に10個の遺伝子に2倍以下の発現低下が認められた。癌化すると、発現変化が大きかったloricrin, keratin2A、およびkeratin10の発現が著しく低下し、癌化のマーカーとなる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Li M-H et al.: "Effect of 5-fluorouracil on G1 phase cell cycle regulation in Oral cancer cell lines"Oral Oncology. 40. 63-70 (2004)
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[Publications] Iwase M et al.: "Enhanced susceptibility of oral squamous cell carcinoma cell kines to Fas-mediated apoptosis by cisplatin and 5-fluorouraci1"Int J Cancer. 106. 619-625 (2003)