Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 聡 国際農林水産業研究センター, 国際情報部, 研究員 (60344842)
太田 至 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (60191938)
河合 香吏 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (50293585)
湖中 真哉 静岡県立大学, 国際関係学部, 助手 (30275101)
岡倉 登志 大東文化大学, 文学部, 教授 (40129929)
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Research Abstract |
1.地域社会班:(1)トゥルカナ人は,スーダンのトポサやウガンダのドドスといった周辺民族と家畜の略奪とその後の和平会議をくりかえしている。武器の流入が略奪を誘発する一方で,行政関係者と和平構築のNGOが事態の沈静化に積極的に関与しはじめている。 (2)エチオピア南部のガブラとボラナの両社会の歴史的関係を現地調査と行政文書によって再構成した結果,エチオピアとソマリアの中央政府の関係によって多大の影響をうけてきたこと,また両社会は地域内の井戸を共同利用する調整をかのうにする関係をそなえていることが明らかとなった。 (3)レンディーレ社会は,畜産物の流通や賃労働における現金経済を組み込んだ多角経営に移行しつつある。家族集団が,遊牧セクターと就学・賃労働セクターに分化しつつ全体として安定している。その重要な要因はクラン内の結束が保持されているからである。 (4)サンブル社会の年齢組の入社式が執行され,あらたな青年団が編成された。この儀礼の脈絡で,以前は長期間の徒歩巡礼がおこなわれていたが,現在は車を利用して期間の短縮化がはかられている。一方,廃物資源を分析した結果,家畜の皮,尿等は廃物とはみなされず,逆に旱魃救援物資などの製品が廃物とみなされて,再利用の意味づけに違いがみとめられた。 2.広域的社会経済班:ケニアにおいて大統領の権限縮小,地方分権化による民主化の進展をめざす現行憲法の見直し問題の経緯,2005年11月実施国民投票の結果の選挙区党派別分布,憲法見直し問題の中心的争点化とNARCの本格的分裂の3点について,分析をすすめた。 ジブチのアファル人の現況と独立以降の政治活動について,FRUD(ジブチ民族統一回復戦線)結成の背景,ならびに13〜15世紀のスルタン国家アファルに着目したアファル人のアイデンティティを分析した。 3.GIS/RS解析班:レンディーレランドを対象に,現地調査で得られる情報をGISに取り入れる際に有効な共通位置参照系としての部族語地名データ・ベースを作成した。また,同地域で新たに入手可能となったスペースシャトルによるデジタル標高データ(SRTM)を組み入れて整備済みの衛星地図データの整合性を高めた。トゥルカナランドを対象に,1981から2003年までの正規化植生指標(NDVI)データを整備して植生変化の顕著な地域を検討した。
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