2004 Fiscal Year Annual Research Report
アラブ世界におけるネットワーク型社会システムの維持メカニズム
Project/Area Number |
15251011
|
Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
堀内 正樹 成蹊大学, 文学部, 教授 (10209281)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 和夫 東京都立大学, 人文学部, 教授 (70142015)
宇野 昌樹 広島市立大学, 国際学部, 教授 (40347612)
清水 芳見 中央大学, 総合政策学部, 教授 (10216111)
奥野 克己 京都文教大学, 人間学部, 助教授 (90250018)
水野 信男 兵庫教育大学, 学校教育学部, 名誉教授 (50032511)
|
Keywords | アラブ / 中東 / ネットワーク / 文化人類学 / 民族誌 / 多国藉 |
Research Abstract |
アラブ社会のネットワークを解明する4カ年研究計画の2年目として、本年度は各研究分担者が前年度の調査を拡大させて、周辺地域を調査研究した。研究代表者堀内はモロッコで憑依儀礼楽団に関する継続調査を行い、儀礼の観光化プロセスを確認した。またチュニジアで指導的な音楽家(S.Mahdi)と面会し、アラブ人音楽家の交流が発生した詳細な経緯を聞き取った。なおモロッコの宗教儀礼の音文化的側面に関する情報収集を研究協力者斎藤に依頼し、斎藤はスーフィー教団の儀礼に参加して当該情報を得た。分担者水野はスペインでアンダルシア音楽演奏家を密着取材し、イベリア半島に残るアラブ音楽家のネットワークの概要を把握した。なお水野は調査の必要上ポルトガルでの調査をフランスに切り替え、著名なアラブ音楽家(E.Achkar)から有益な情報を得た。分担者大塚はエジプトで商人の親族ネットワークの調査を継続したほか、比較のためモロッコにて社会変容に伴う商人ネットワークの再編に関する調査を実施し、基礎データを得た。分担者宇野はドルーズ派の海外ネットワークの拠点である米国西海岸とベネズエラで緊急調査を行い、米国デンバー市の強固なアラブ人コミュニティーの実態を把握するとともに、ベネズエラではレバノン・シリア系住民の職種に際だった特性があること、ドルーズ派を含めて出身地ごとの集団化が顕著であることを発見した。なおシリア・ヨルダン・レバノン・トルコにおける墓廟巡礼者のネットワークに関する基礎データ収集を研究協力者池田に依頼し、旅行産業とシーア派ネットワークの緊密なつながりが判明した。分担者奥野はエジプトで家族ネットワークと市場の関係に関する調査を発展させ、その結果スーダンに伸びるヌビア人ネットワークの重要性を発見した。分担者清水はヨルダンで親族ネットワークの範囲に関する調査を行った結果、都市と地方の頻繁な人の流れが判明した。
|
Research Products
(14 results)