2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15253006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
星野 光雄 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (40023626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門平 睦代 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (20313976)
山本 鋼志 名古屋大学, 大学院環境学研究科, 助教授 (70183689)
吉田 英一 名古屋大学, 博物館, 助教授 (30324403)
杉谷 健一郎 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (20222052)
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Keywords | 土壌浸食 / ガリー浸食 / 砂漠化 / 乾燥地域 / ケニア / 土地利用 / 地質 / 地形 |
Research Abstract |
1.現地調査(2005年7月26日〜8月9日の15日間) ケニア西部キスム地域のガリー浸食地帯での最終年度の現地調査を、星野、山本、吉田、杉谷、桂田の5名で実施した。ケニア・ナイロビ大学の共同研究者も随時これに参加した。主な研究成果としては、(1)浸食を受けている未固結堆積物の層序を多くの地点で詳細に調査することにより、走向方向の連続性、堆積物の層準による性質の微妙な違いなど、地質学的条件の全体像を把握できた。とくに、形態的に異なる2タイプのガリー(Awach型とSondu型)(研究成果参照)に露出する堆積物の硬度の測定から、Awach型よりもSondu型の堆積物が相対的に硬度が高いことが判明した。(2)3年間の継続観測により、Awach型が顕著な浸食速度を示すのに対して、Sondu型の浸食速度はきわめて小さいことが明らかとなった。 2.室内実験 現地調査で得られた野外データの整理、採集した堆積物の偏光顕微鏡による岩石記載、採集した炭質物の^<14>C年代測定、衛星画像・空中写真画像の解析等を行った。主な研究成果としては、(1)Awach型の堆積物の淘汰度が比較的良好なのに対し、Sondu型の堆積物の淘汰度は概して悪い。このことが硬度の違いとして反映されている。(2)堆積物中に狭在する炭質物の^<14>C年代測定では、3000年前〜現在という値が得られた。しかしながら、ビクトリア湖の海進・海退に伴う湖成堆積物形成の観点から行われた既往研究の年代との隔たりが大きく、さらに検討が必要である。(3)3年間の現地調査結果と衛星画像解析等を併せて総合的な検討を加えることにより、当ガリー浸食地帯での環境アセスメントが可能であることを示した(研究成果参照)。 3、研究成果報告書の作成 現在、日本側の研究代表者・分担者・協力者とケニア側の共同研究者総がかりで、研究成果報告書(英文)の完成に向けて、執筆・編集作業を進行中である。 4.名古屋大学が、1962年以来、継続的に実施してきたアフリカの地質・環境調査について、レビューを行った(研究成果参照)。
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Research Products
(3 results)