2003 Fiscal Year Annual Research Report
塩基性土壌への乾性沈着機構の解明と硫黄酸化物消失量の評価
Project/Area Number |
15254001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
坂本 和彦 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (20111411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 政弘 国立環境研究所, 大気圏環境部, 主任研究員 (20160294)
関口 和彦 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (50312921)
石原 日出一 埼玉大学, 工学部, 助手 (20261878)
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Keywords | 乾性沈着 / 黄土 / 硫黄酸化物 / オゾン / 湿度影響 / 沈着速度 / 濃度勾配法 / パッシブ法 |
Research Abstract |
中国大同における濃度勾配法ならびにパッシブ法による硫黄酸化物の乾性沈着の測定 日中友好環境保全センター、環境科学研究院大気環境研究所所属の海外共同研究者とともに、交通の便、資材調達の便、地面の平坦度、広がりの面積等の地形情報、植生を含めた地表面状態、二酸化硫黄のベースライン濃度、代表的な風速、平均気温、湿度等を考慮して、観測地点として中国大同を選び、濃度勾配法ならびにパッシブ法による硫黄酸化物の乾性沈着を測定した。大同は比較的汚染レベルの高い都市であり、黄土地帯に位置しており、黄土への硫黄酸化物の乾性沈着を調べることができると期待される。なお、測定データは解析中である。 室内モデル実験による沈着速度支配要因の解明 二酸化硫黄とオゾンの乾性沈着速度を濃度勾配法ならびにパッシブ法によるフィールド調査より求めたが、乾性沈着を支配する要因を検討するため、円筒型反応器の管壁の内部に黄砂粒子を塗布し、それを数十ppbの硫黄酸化物やオゾンを含む実験ガスに暴露した。なお、フィールド測定データとの整合性を考慮し、硫黄酸化物単独とオゾンの共存条件、ならびに湿度を変化させ、暴露実験を行い、それぞれの沈着速度、ならびに沈着後の硫黄酸化物の酸化率を調べた。その結果、硫黄酸化物沈着速度はオゾンの共存により変化しないが、沈着した硫黄化合物の分析の結果、オゾン濃度が高いほど、沈着した硫黄酸化物の酸化[S(IV)→S(VI)]された割合がより増加する傾向がみられた。湿度は高いほど硫黄酸化物の沈着速度は増加するが、実測時のような乾燥条件下では、加湿時に比較して小さな沈着速度となっていた。また、低温時の反応性を調べるため、室温以外の低温での暴露実験も行い、データを解析している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sorimachi A., Sakamoto K., Ishihara H., Fukuyarna T., Utiyama M., Liu H., Wang W., Tang D., Dong X., Quan H.: "Measurements of sulfur dioxide and ozone dry deposition over short vegetation in northern China - a preliminary shady"Atmospheric Environment. 37. 3157-3166 (2003)
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[Publications] Sorimachi A., Sakamoto K., Sakai M., Ishihara H., Fukuyama T., Utiyama M., Liu H., Wang W., Tang D., Dong X., Quan H.: "Measuring dry deposition of sulfur dioxide onto soil surfaces using soil as a passive sampling medium"Environmental Science & Technology. 38(印刷中). (2004)