Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿熊 信一郎 (財)亜熱帯総合研究所, 研究部, 研究主幹
中谷 誠治 (財)亜熱帯総合研究所, 研究部, 主任研究員
茅根 創 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (60192548)
波利井 佐紀 東京大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (30334535)
宮澤 泰正 地球フロンティア研究システム, 気候変動予測研究領域, 研究員
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Research Abstract |
1)前年度に開発した衛星リモートセンシングによる統合的沿岸環境モニタリングシステムのコア・アルゴリズムをさらに一般化・汎用化するための検討を行うとともに,沖縄・石垣島でのマングローブ,干潟,藻場,サンゴからなる沿岸生態系ならびに陸域植生についての現地調査を行い,より広範な種類の現地検証データを得た.さらに,陸域からの濁質流入負荷の実態把握と定量的評価に関する長期連続モニタリングを実施するための予備調査をフィジーとサモアにおいて行った,2)観光開発による生活雑排水流入などによって水質悪化と沿岸生態系劣化が著しいフィリピン・ミンドロ島北端に位置するプエルトガレラ沿岸域を対象とした現地調査を実施し,同海域での特徴的な海水流動特性やそれに密接に関連した水質環境特性を明らかにした,3)前年度に開発した黒潮海域を含む広域海水流動計算モデルに基づいて,多重ネスティング手法を導入するとともに潮汐変動成分計算ルーチンを組み込むことによって,沿岸域での海水流動ならびに幼生輸送計算精度を大幅に高めることに成功した.得られたモデルを琉球列島を中心とした海域に適用することにより,広域沿岸生態系ネットワークの実態を明らかにし,次年度以降に計画している東南アジア・オセアニア島嶼国を含むより広領域での生態系ネットワーク解明のための基礎を確立した,4)典型的なサンゴ食害生物であるオニヒトデの遺伝子マーカー開発を行うとともに,同マーカーによるオニヒトデ幼生判別手法をパラオで採取した幼生サンプルに適用することにより,野外サンプルからのオニヒトデ幼生同定に世界で初めて成功した,また,今後の広域的なオニヒトデ集団遺伝学的解析を行うために必要となるオニヒトデサンプルをフィジーとサモアおよび琉球列島の数海域で収集した.5)前年度と同様の「人間-沿岸生態」共存系に関する調査を,さらにフィジーやサモアなどに広げて行い,コミュニティーベースの沿岸資源管理の実態について明らかにした.
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