2006 Fiscal Year Annual Research Report
開発著しいハノイ都市圏における近郊農村・下町・新住宅地の町づくり研究
Project/Area Number |
15254004
|
Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
友田 博通 昭和女子大学, 国際文化研究所, 教授 (00155582)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
チャン マーク 昭和女子大学, 国際文化研究所, 講師 (60327955)
島田 敏男 奈良文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部遺構調査室, 室長 (60187432)
福川 裕一 千葉大学, 工学部, 教授 (90156761)
マーティン モリス 千葉大学, 工学部, 助教授 (20282444)
篠崎 正彦 東洋大学, 工学部, 助教授 (10312175)
|
Keywords | ハノイ / 近郊伝統農村 / 都市下町 / 新住宅地 / 文化財保存 / 現代生活 / 将来像策定 / 激変と収束 |
Research Abstract |
近郊農村ドンラム村は、平成18年5月18日、ベトナム国重要文化財指定伝達式・ソンテイ市保存条例公布の祭典が行われ、7月ドンラム村遺跡管理事務所が開設、保存体制が整った。8月には、2007年ベトナム政府予算要求のための保存計画ワークショップ、伝統食品再興の講習会、伝統衣装に関する住民説明会などを行った。また、3月には、ユネスコ・イコモスと世界遺産準備会を行い世界遺産登録の準備を開始した。 下町ハノイ36街区は8月主要街路調査を完了し、3月ユネスコ・イコモスとの意見交換会を実施。2010年建都1000年の世界遺産登録は成果をあげられなかったが、36街区は活気と魅力を増しハノイ最大の繁華街の地位を確立した。これは36街区が名産品で有名な村出身者が集められた街で現在も膨大な後背地に支えられていた。本研究ではこの後背地の伝統産業を守り育てその物産展としての36街区を保存するという新たな課題を提出し成果をあげた。 新住宅地は、超高層住宅の共用空間が最小限の廊下しかないことに注目され、子育て環境の観点から調査した。現在のベトナムは貧富の差が激しくどの家にもお手伝いさんがいて、子供の面倒を見るため大きな問題は少ないため、共用空間に面積を割り当てることは非常に難しい状況であったが、近々の問題として警鐘をならすことはできた。なお、この前段の研究、住戸内の問題に関する提言はベトナム研究スタッフが論文化しベトナムで賞を得た。 また、住居・食物・衣服の3地区比較では、ベトナムの急激な開発と生活近代化が極端な差異と歪をうんでいた。子供が多いまま生活の近代化が進み過大な室数要求が発生したが少子化で解消しつつあり、食品も一時的に高蛋白高脂質化したがダイエット健康志向も流行し始めた。ファッションは急速に欧米化したがこれは収束の兆しは見えていない。この他、急激な変化の過程と収束の過程が様々タイミング良く明確に捉えられたことは大きな成果と言えよう。
|
Research Products
(20 results)