2003 Fiscal Year Annual Research Report
地表火が東シベリアタイガの二酸化炭素固定に与える影響評価
Project/Area Number |
15255002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 邦秀 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (80281707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 秀之 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (70312395)
渋谷 正人 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (10226194)
長谷川 周一 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10333634)
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Keywords | 地表火実験 / 永久凍土地帯 / 土壌水分 / 火災強度 / 焼失有機物量 |
Research Abstract |
永久凍土地帯であるロシア・サハ共和国・ヤクーツク近郊のスパスカヤパッド実験林内に底面8m×8m、高さ18mのジャングルジム状タワーを、当初の予定より2ヶ月遅れて9月末に完成させた。火災実験の適期を逃したため、本年の地表火実験及びリタートラップ設置は次年度実施とし、1)土壌水分センサー(TDR)、地温センサー等測器による連続測定動作のチェック、水分計の校正曲線の作成を行った。また、2)2002年の火災跡地における焼失有機物量の推定、成熟林の被害程度の把握を行った。 1)土壌断面調査から土質の判定と乾燥密度を測定し、5段階の土壌水分条件で水分計の校正曲線を作成した。土壌の体積含水率(y%)とTDR水分計(x)の読み値は2次曲線y=103.21x^2-68.63x+16.58(R^2=0.9834)で近似可能であった。また、TDR水分計による深さ10,20,30,50cmの土壌水分と熱電対による深さ5,37,65cmの地温の連続測定を行い,モニタリングが可能なことを確認した。 2)ヤクーツク近郊の2002年夏期の地表火により立木が全焼した樹齢40〜60年のカラマツ林2カ所と隣接する火災を回避できた対照区各1カ所で地表有機物量と植生量を調査し、焼失有機物量を推定した。火災強度中庸区では焼失有機物量は551g/m^2、リター層の38%が焼失していたが腐植層は残存、鉱物質土壌はマウンド上部が一部で裸出していた。強度区では焼失有機物量2389g/m^2、リター層の95%、腐植層の9%が焼失しており、マウンド上部はほとんど裸出していた。火災強度区の成熟林(平均樹高13.3m、平均胸高直径13.9m立木密度1740本/ha)では樹冠部まで火炎は届いていなかったにもかかわらず全立木が1年後に枯死した。これは根系の損傷が原因と考えられる。
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