2006 Fiscal Year Annual Research Report
海洋高次捕食動物プラットフォームによる3次元海洋計測・環境動態監視システムの開発
Project/Area Number |
15255003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 克文 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (50300695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 修亮 京都大学, 大学院情報学研究科, 助教授 (20252497)
赤松 友成 独立行政法人水産総合研究センター, 水産工学研究所, 主任研究官 (00344333)
綿貫 豊 北海道大学, 大学院水産科学研究院, 助教授 (40192819)
坂本 亘 近畿大学, 水産研究所, 教授 (50013587)
高橋 晃周 国立極地研究所, 研究教育系, 助教授 (40413918)
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Keywords | バイオロギング / データロガー / ペンギン / ウミガメ / 南極 / アザラシ |
Research Abstract |
4年計画の最終年度に相当する18年度は,これまでの研究とりまとめを主として行った. 例えば,ベーリング海に浮かぶセントジョージ島で繁殖を行うハシブトウミガラスは,子育て期間中に周辺海域で餌取りを目的として潜水行動を行うが,彼らの潜水深度が現場の水温躍層と深い関係を有することが判明した.鉛直混合が進んだ海域で潜水を行う場合,彼らは深度80m前後の潜水を繰り返して餌を捕獲していた.ところが,水温躍層がある海域においては,水温躍層をめざした潜水を繰り返し行っていた.水温躍層によって,彼らの餌となる小魚類の滞在深度が左右され,それに対応して高次捕食動物のハシブトウミガラスは潜水深度を選択していたと解釈できる. さらに,魚類から鳥類や哺乳類にまたがる動物を対象に行われた野外調査によって得られたデータを元に,幅広い動物群にまたがる比較行動研究を実施した.その結果,海産哺乳類と鳥類の潜水遊泳時のストローク周波数が,体重の-0.29乗に比例する事が明らかになった. 小型の電子記録装置を動物に搭載するバイオロギング手法は,水生動物の生息域を大きく左右する海洋環境を把握するのに有効な手法となりうる事もわかった.本プロジェクトでめざしたのは,動物の行動を周辺環境と共にモニタリングする新しい手法を開発することであった.熱帯から南極域に至る広範囲で野外調査を実施した. 海洋高次捕食動物は海洋環境モニタリングのプラットフォームとして有効であり,動物搭載型の各種小型記録計は動物自身の行動や生理を,周辺環境に照らし合わせて解釈するのに大いに役立つことが明らかとなった.
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Research Products
(8 results)