2004 Fiscal Year Annual Research Report
中国・中原地域出土の古人骨に関する人類学的研究-渡来系弥生人の起源を巡って
Project/Area Number |
15255009
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中橋 孝博 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 教授 (20108723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
分部 哲秋 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (50124847)
篠田 謙一 国立科学博物館, 人類研究部, 室長(研究職) (30131923)
北川 賀一 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (70186237)
甲元 真之 熊本大学, 文学部, 教授 (70072717)
宮本 一夫 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 教授 (60174207)
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Keywords | 国際研究者交流 / 中国中原地域 / 渡来系弥生人 / 日本人の起源 / 古人骨 / 自然人類学 |
Research Abstract |
昨年に引き続き、日本人の起源問題に関して残された重要懸案である渡来系弥生人の源郷を明らかにするため、中国・中原地域から出土した夏・商〜前漢時代の古人骨調査を行った。当該資料が収蔵されている河南省新鄭市において平成16年11月に現地調査を実施し、以下のような結果を得た。 ・昨年度の調査で約半数の整理・データ採取を終えていた興弘遺跡(春秋戦国時代)について、残りの約55体の計測、観察を実施し、当遺跡出土人骨(計80体)の調査を終えた。これまでに明らかになった当集団の特徴として、顔面の扁平性が強く、高顔、高身長、四肢末端が相対的に短い点など、基本的に日本の北部九州弥生人に類似する傾向が認められた。加えて、当集団では約4割が未成人骨で占められ、中国ではかつて試みられた事のない成長等について貴重な知見が得られる可能性が出てきた。詳しい研究成果は河南省文物考古研究所と協議の上、連名の報告書として公表の予定である。 ・昨年に引き続いて周庄遺跡出土人骨(春秋戦国〜漢代)の整理、データ採取作業を継続した。今年度は126体についての計測、観察、写真撮影を終えた。残りの約150体については次年度に調査を実施し、当集団の分析を終える予定である。 ・人骨情報に加えて、出土配置、副葬品、埋葬施設など、考古学的な情報の収集を行った。 平成17年1月に河南省文物考古研究所の研究員2名を招聘し、九州大学において研究発表会を実施した。併せて、京都大学、奈良文化財研究所、東京大学、東京国立博物館などを訪問して、日本側の考古・人類学情報の収集作業を行った。
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Research Products
(7 results)