Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 和広 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (60215770)
加藤 鎌司 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (40161096)
辻本 寿 鳥取大学, 農学部, 教授 (50183075)
佐藤 洋一郎 岡山大学, 総合地球環境学研究所, 教授 (20145113)
阿部 純 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (00192998)
|
Research Abstract |
下記の5グループが中国周縁国を訪問し,のべ9回にわたって現地調査を行った.その概要は下記の通りである. 1.オオムギ・コムギグループ;中国西南部におけるムギ類の多様性を明らかにする目的で,9月上旬に雲南省北西部および雲南省東部・貴州省西部を訪問し,ムギ類の遺伝資源調査を行い,種子を収集した.いずれの地域においてもムギ類は秋播栽培されており,チベット周辺で春播栽培されているムギ類とは異なるタイプの遺伝資源を収集できたと考えている. 2.イネグループ:野生イネ遺伝資源の継続的調査のため,フィリピン,ロスバノスのマイニュータ集団を調査した.昨年よりも集団サイズが増大していたが,これは環境の保護による一時的なものと推定された.一方,インドで出土した6000年前の野生・栽培イネと推定される遺物種子を確認した.栽培イネとの交雑後代と考えられるイネが採種されていたため,野生イネが利用されていたと考えられる. 3.ダイズグループ;韓国東部の安東市周辺のダイズとツルマメの同所的サイトで,8月上旬、下旬および9月中旬に開花と登熟の動態を調査し、またSSR標識に基づいて集団の遺伝構造を解析した。その結果、ダイズとツルマメの間で遺伝子流動の可能性があること、ツルマメ個体間で他家受精が行われていることが示唆された。 4.メロングループ;インド東部におけるメロンの多様性を明らかにする目的で,8月上旬にメガラヤ,アッサム州の在来メロンを調査した.いずれの地域においても在来メロンはノーネットであったが,アッサム地方においては3種類の変種が栽培されていた.また,同時期に,中国雲南省を訪問し,マクワ・シロウリ系の在来メロン遺伝資源を収集した. 以上の活動に加え,ドイツ植物遺伝作物研究所およびロシアバビロフ研究所を訪問した.特に,後者においては渉外担当,各作物の担当者と個別に面談し,旧ソ連邦の国々における共同収集が可能であると判断した.
|